アジアカップ2015

【アジアカップ激闘録】アジアを切り裂いた攻撃力「11年」特派論説

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2015年01月04日

香川の交代のタイミングも興味深かった。

後半にパフォーマンスが低下する香川は、出場6試合中3試合で途中交代。その起用法からは指揮官の言う「攻守のバランス」が見て取れた。 (C) SOCCER DIGEST

画像を見る

 采配に関しては概ねオーソドックスであり、的確という印象だ。
 
 決勝で岩政を投入して、長友を左サイドハーフに上げた策は見事だったが、試合レポートでも触れたように、当初の予定とは異なり、選手の意見に耳を傾けたうえでの決断だった。それも監督のパーソナリティーを表わしているようで興味深い。
 
 香川の交代のタイミングも興味深かった。香川が途中交代したのは3試合。そのうちロスタイムに下がったカタール戦を除き、シリア戦では65分、韓国戦では120分中の87分に交代している。
 
 香川が相手にとって脅威なのは間違いない。しかし、本人も自覚しているように、どうしても「後半にパフォーマンスが落ちる」。その結果、後半はピッチの真ん中でボールを受けて、強引に仕掛けては止められる場面が増えていく。
 
 相手に与える脅威と、守備面におけるリスクを天秤にかけた結果、リスクへの傾きがザッケローニ監督の許容範囲を超えた時、それが交代を決断するタイミングに感じられた。その時のピッチ上のチーム状態に、指揮官の言う「攻守のバランス」が見て取れたのだ。
 
 交代策がやや遅い気もしたが、これはカードの少なさとも関係ある。今大会のチームにはもともとアタッカーが少ないうえに、松井の離脱で選択の幅が狭まってしまったからだ。
 
 5バックに変更した韓国戦では逃げ切りに失敗している。相手が4トップ気味にしてきたのだから、1枚多い5枚で凌ぐのはイタリアでは当然かもしれないが、フィジカル勝負で分が悪い日本は守りきれない場面が多い。指揮官はこうした日本の弱点も、今大会を通じてデータとして収集したはずで、今後に生かせば、問題はないだろう。
【関連記事】
【アジアカップ激闘録】いよいよ変革のとき「04年」特派論説
「マレティーネス」の世界のタフな現実 アギーレの八百長疑惑をサッカー文化的側面から考える
【日本代表】23人は順当な顔ぶれ アジアカップ連覇の鍵は?
ブレーメン戦でも決定的な仕事はできず……香川にとって苦悩の2014年は幕を閉じた
【セルジオ越後の天国と地獄】“全敗”に終わった2014年の日本サッカー

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ