課題は、引いた相手の攻略と、勝負どころでのギアアップ
課題は、引いた相手をどう崩すかという部分だ。マンマークで来ると想定された南アフリカ女子代表は、この日、自陣深くまで4バックを下げて、オーソドックスに受ける形から入ってきた。女子ワールドカップのアルゼンチン戦でも苦しんだが、こうした専守防衛策を崩すのは永遠の課題と言えるかも知れない。
この日の2得点は、前述した熊谷のゴール。そして、岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)からくさびのボールを受けた菅澤優衣香(浦和レッズレディース)が、流れるような動きで前を向き、DFとの間合いを測って放ったシュートのみ。特に、相手が日本のキーマンである岩渕のケアに人数をかけ始めると、局面の打開に苦労し始めた。途中出場の籾木結花(日テレ・ベレーザ)はリズムを変えようと様々に試みていたが、ゴールをこじ開けるには至らなかった。
この日の2得点は、前述した熊谷のゴール。そして、岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)からくさびのボールを受けた菅澤優衣香(浦和レッズレディース)が、流れるような動きで前を向き、DFとの間合いを測って放ったシュートのみ。特に、相手が日本のキーマンである岩渕のケアに人数をかけ始めると、局面の打開に苦労し始めた。途中出場の籾木結花(日テレ・ベレーザ)はリズムを変えようと様々に試みていたが、ゴールをこじ開けるには至らなかった。
「南アフリカの選手が持っている、球際の強さや、一瞬のスピードによって、細かいシーンで自分たちのボールにしきれず、最後の部分はやらせてもらえなかったと思います。ただ、選手は前向きにゴールを目指し続けてくれました。最後のゴールという部分はワールドカップ以来の課題」と高倉監督。
少々メンバーをいじっても、全ての時間帯を通じて及第点のゲームをできる力は証明できた。今後は、勝敗を分ける重要な局面で、さらに一段上のギアアップを求めたい。
取材・文●西森 彰(フリーライター)