長谷部誠も「すごくやりづらい」
ドイツ代表DFマティアス・ギンターは「(ローゼがもたらした)レッドブル・スタイルは僕らにとって大きな変化だった。今僕らはこれまで以上にゴールに向かってストレートに攻めようとしている」と口にしている。
前節でボルシアMGに1-4で敗れたフランクフルトの長谷部誠は「かなり前からプレッシャーをかけてきて、パスの出しところもなかなかなく、セカンドボールも拾われ、どんどん裏に走られた。(押された展開の)前半に関してはすごくやりづらいという感じはあった」とそのシステムを認めていた。
前節でボルシアMGに1-4で敗れたフランクフルトの長谷部誠は「かなり前からプレッシャーをかけてきて、パスの出しところもなかなかなく、セカンドボールも拾われ、どんどん裏に走られた。(押された展開の)前半に関してはすごくやりづらいという感じはあった」とそのシステムを認めていた。
とはいえ、現時点で優勝を考えている選手はまだいない。
ギンターは「シーズンはまだまだ長いよ。今の段階で優勝のことを思い描いている選手はさすがにいないと思う。春先になってまだこの順位にいることができていたら、そんな話もできるかもね」と答えた。バイエルンもドルトムントも、本調子を取り戻したら強大な力を持っていることは誰もが理解している。
果たして、ボルシアMGは本気の強豪と渡り合うだけのチームになるのか。
元ドイツ代表監督でボルシアMGのレジェンドであるベルティ・フォクツは「今のボルシアは観戦するのが本当に楽しいよ。ローゼはみんながみんなのために走る本物のチームを作り上げている。今季のパフォーマンスを見ているとチャンピオンズ・リーグ出場権獲得できるだけのレベルがある」と称賛し、クラブの立ち位置について評価したうえで、こう付け加えた。
「だが、このレベルを長い間保ち続けることができれば、リーグのタイトルを獲得できるチャンスは大きくなるはずだ」
ボルシアMGが最後に優勝皿を掲げた76-77シーズンから長い時間が過ぎ、ファンはクラブの現状を正しく把握している。だからといって、夢をあきらめたりはしていない。
名前ばかりの「名門」なんてまっぴらだ。いつか、また。近年まれにみる混戦模様の今季、ひょっとしたらその「いつか」が訪れるなんてこともあるかもしれない。そんな可能性を秘めたチームが今のボルシアMGである。
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかのきちのすけ)
ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中。