レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第53回・リバウド(元ブラジル代表)

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2019年10月03日

圧巻のパフォーマンスで母国を世界の頂点へ!

世界の頂点に立った日韓W杯。2度にわたる膝の重傷から復活したロナウドが主役となったが、MVPはリバウドだと言ってもいい。ちなみにこの大会では、グループリーグ・トルコ戦で相手選手を“演技”で退場に追いやったことも話題となり、後に罰金処分を受けている。 (C) Getty Images

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 バルサで数々の栄光を手にしたリバウドにはもうひとつ、ブラジル代表での輝かしいキャリアも存在する。

 1991年より各年代の代表チームから招集を受け、93年12月16日のメキシコ戦でA代表デビューを飾った。翌年のアメリカ・ワールドカップ(ブラジルが優勝)の出場は叶わず、最初のメジャーイベントは96年のアトランタ・オリンピック。ベベット、アウダイールとともに、オーバーエイジ枠での出場だった。

 ロナウドをはじめ、多くの有望株を擁して優勝候補筆頭に目されたブラジルだったが、初戦で日本に大番狂わせを許すなど、終始、精彩を欠いて銅メダル止まり。リバウドは準決勝ナイジェリア戦でミスを犯したことで、戦犯として叩かれる羽目となった。

 98年フランス・ワールドカップを迎える頃、クラブレベルでは地位を確立していたにもかかわらず、なかなか代表には定着できず、前年のコパ・アメリカにも招集されていなかったこともあり、大会前の予想ではデニウソンの控えと予想するメディアも少なくなかった。

 しかし、「セレソン」の10番を背負った彼は、エースのロナウドとともに前線で躍動。グループリーグのモロッコ戦で初ゴールを決めると、好調を維持し、準々決勝デンマーク戦では決勝点を含む2つのファインゴールで勝利の立役者となった。

 屈指の好カードとなった準決勝オランダ戦でも老獪なプレーで見せ、PK戦でも落ち着いてGKの逆をついて成功させたリバウドは、決勝ではフランスの軍門に降って黄金のトロフィーを手にすることはできなかったが、大会を通じて高いパフォーマンスを披露したことは、FIFAのオールスターチームに選出されたことからも明らかだった。

 これでセレソンでも不可欠な存在となり、翌年のコパ・アメリカ(日本も参加!)ではロナウドと大会得点王の座を分け合う活躍で、ブラジルに6度目の大陸王座をもたらし、自身は大会MVPにも選出された。こうした実績により、彼はこの年、前述のバロンドロールだけでなく、FIFA最優秀選手賞も受賞している。

 こうしてセレソンの中心選手として実績を積み重ねるリバウドだが、逆にチームの調子が悪ければ、その責任を彼が問われることとなり、2002年日韓W杯の南米予選で苦労した際には、「10番に相応しくない」「物足りない」など、国民からは多くの罵声が彼に浴びせられた。

 しかし、いざ大会が幕を開けると、リバウドは圧倒的な存在感を発揮し、セレソンの攻撃サッカーを牽引。初戦でロナウドのゴールをクロスでアシストし、自身もPKで初ゴールを決めると、準決勝イングランド戦まで連続得点を記録、そしてチャンスメイク、重要なアシストを重ねていく。

 決勝のドイツ戦前、通算5ゴールで得点王を狙える位置につけていたが、「それはロナウドのものだ」と全く興味を示さず。そして実際、鋭いミドル、巧みなスルーで盟友の2つのゴールを引き出すとともに、セレソンを世界の頂点へ導いた。

 圧巻のパフォーマンスを披露して大きな勲章を手にしたリバウドは、翌年11月のウルグアイ戦でカナリア色のユニホームを脱ぐ。通算34得点は、歴代7位の数字である(キャップ数は74)。

 さてクラブレベルに話を戻すと、前述の通りバルサで結果を残し続けていたリバウドだが、加入時の監督だったルイス・ファン・ハールの極端な結果&規律重視のサッカーを嫌悪し、サイドに張り続けるプレーに窮屈さを感じていた。そして当時はまた、フロントに対する不満も抱えていた。

 要求する年俸を満額払ってくれることだけが、彼をバルサに繋ぎ止めていた唯一の要素だともいわれているが、00年に解任されたファン・ハールが2年後、再びバルサの指揮権を得た時、リバウドは迷うことなく退団を決断した。

 こうして新天地に選んだのは、イタリアのミラン。02-03シーズン、チームはチャンピオンズ・リーグ(CL)を制し、さらにコッパ・イタリアも獲得するなど、成功を収めたが、リバウドはチームに馴染めず。ユベントスとの同国対決となったCL決勝では、PK戦までもつれ込む激闘をベンチで眺め続けた。

 翌シーズン、開幕前は主力として期待されるも、新加入のカカにポジションを奪われる。さらに退団騒動を起こしたことでカルロ・アンチェロッティ監督の信頼を失い、「残留してもスタメンは保証しない」と通告されたことで、間もなくしてロッソネロのユニホームに別れを告げることとなった。

 以降は、クルゼイロ(ブラジル)、オリンピアコス、AEKアテネ(ともにギリシャ)、ブニョドコル(ウズベキスタン)、モジミリン、サンパウロ(ともにブラジル)、カブスコルプ(アンゴラ)、サンカエターノ(ブラジル)、そして再びモジミリンと、多くのクラブを渡り歩いた。

 このうち、クルゼイロ(1回)、オリンピアコス(3回)、ブニョドコル(3回)で、それぞれリーグ優勝を経験、ブニョドコルでは37歳でリーグ得点王に輝いた。そして思い出のクラブであるモジミリンでは、現役選手でありながら08年、会長に就任。現役最後のシーズンとなった15年には、息子リバウジーニョとのプレーも実現した。

 43歳でスパイクを脱いだ稀代のクラッキ(天才)は現在、様々なイベントに参加しながら、サッカー界に提言を送り続けている。

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<アプリインストール>
公式サイト :https://pksc.jp/
Google Playストア (Android) : https://app.adjust.com/hipjap
App Store (iOS) : https://app.adjust.com/yl0j1j
 
<アプリ情報>
メーカー|NewsTech Inc.
配信日|配信中(2013年2月14日より)
ジャンル|サッカー・シミュレーション
価格| 基本プレイ無料(アイテム課金制)
推奨動作環境|OS:iOS8.0以上
       OS:Android 4.1.0以上
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