虎視眈々と“その時”を狙い続け――。
「肝心な1ゴールを取る」と、強い想いで臨んだ今季は、ハイパフォーマンスを続けた。特に「前線の選手の特長を活かすため」(小林監督)との理由で、3-4-2-1から4-4-2へ布陣を変更した5月以降は、躍動感が増す。持ち味の裏への飛び出しでチャンスを演出しながら得点を重ね、22節・札幌戦から12戦連続無敗を記録したチームを牽引した。
しかし、「本当に欲しい時の1点がなかなか取れない」という不安は現実のものとなる。上位対決となった34節・神戸戦で不発に終わると、それまで重ねていたゴールがピタリと止まってしまう。後半戦で一気に巻き返し昇格圏内まで浮上していたチームは、エースの不振とともに37節・横浜FC戦から3連敗。一時は3位まで上げた順位も、気づけばプレーオフ進出圏内ぎりぎりの6位にまで下降していた。
本人の脳裏に、2年前の嫌な記憶がよぎっていてもおかしくはなかった。
リーグ戦4位でプレーオフ進出を果たし、迎えた準決勝の千葉戦。負ければ敗退が決まる重要な試合で、津田が復活を予感させる働きを見せる。37分、ディフェンスラインの背後へ抜け出すと、エリア内で倒されPKを獲得したのだ。
「不調が続いていたのは分かっていた。でも、津田らしい飛び出しが戻ってきたなと感じた」(小林監督)
指揮官がそう評す動きで貴重な先制点を導き、チームは千葉を下して決勝へ駒を進めた。
そして、運命の昇格決定戦。勝たなければ昇格を果たせない一戦で、前線でタメを作りながら虎視眈々と“その時”を狙い続け、本人が望んでいた決定的なゴールを奪った。反撃を目論む京都に十分なダメージを与えた一撃は、真のエースへと脱皮できた証でもあった。
取材・文:橋本 啓(週刊サッカーダイジェスト)
【SD写真館】J1昇格プレーオフ――激闘の記憶
しかし、「本当に欲しい時の1点がなかなか取れない」という不安は現実のものとなる。上位対決となった34節・神戸戦で不発に終わると、それまで重ねていたゴールがピタリと止まってしまう。後半戦で一気に巻き返し昇格圏内まで浮上していたチームは、エースの不振とともに37節・横浜FC戦から3連敗。一時は3位まで上げた順位も、気づけばプレーオフ進出圏内ぎりぎりの6位にまで下降していた。
本人の脳裏に、2年前の嫌な記憶がよぎっていてもおかしくはなかった。
リーグ戦4位でプレーオフ進出を果たし、迎えた準決勝の千葉戦。負ければ敗退が決まる重要な試合で、津田が復活を予感させる働きを見せる。37分、ディフェンスラインの背後へ抜け出すと、エリア内で倒されPKを獲得したのだ。
「不調が続いていたのは分かっていた。でも、津田らしい飛び出しが戻ってきたなと感じた」(小林監督)
指揮官がそう評す動きで貴重な先制点を導き、チームは千葉を下して決勝へ駒を進めた。
そして、運命の昇格決定戦。勝たなければ昇格を果たせない一戦で、前線でタメを作りながら虎視眈々と“その時”を狙い続け、本人が望んでいた決定的なゴールを奪った。反撃を目論む京都に十分なダメージを与えた一撃は、真のエースへと脱皮できた証でもあった。
取材・文:橋本 啓(週刊サッカーダイジェスト)
【SD写真館】J1昇格プレーオフ――激闘の記憶