「鹿島のDNAが発揮されるのはこれから」鈴木強化部長に訊いた現状と今後の展望

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年07月27日

「今年もタイトルを獲るつもりだし、獲れると確信している」

前節の鳥栖戦は2-1の勝利。これで3連勝を含む6戦負けなしと好調をキープし、リーグでは暫定3位に浮上した。(C)SOCCER DIGEST

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――「20冠」のその先にある次なるタイトルの可能性は?
 
 これから過密日程となり、秋以降は重要度の高いゲームが続くだろう。そうなってくると、自然と選手たちの集中力がグッと高まって、プラスアルファの力や、個々が本来持っているポテンシャルを出し切るようになる。それが鹿島のDNAだ。決勝戦の舞台に立った時の選手たちの集中の仕方なんて、こっちが感心するぐらいだ。あ、これは違うぞと、見ていてすぐに分かる。
 
 頂上に立った者の強みもある。ACLでは、長いことベスト16の壁に阻まれてきた。去年なんとかその壁をクリアして優勝したら、それまで全然イメージできなかった壁の向こう側が見えて、こうすれば勝てるんだというのが分かった。ルヴァンカップや天皇杯でもそうだけど、頂上に立てば、あそこの坂ではアクセルを踏んで昇って、その後は少しゆっくり走ろうとか、そういう道筋が見えてくる。勝ち方が明確になる。それは去年のACLで改めて思った。
 
 ルヴァンカップでは、これまでの26大会中、鹿島は9回、決勝に行って、そのうちの6回優勝している。3大会に1回はファイナルに進出している計算で、負ける時もあるけど、鹿島との一発勝負でタイトルを争うのは嫌だなと思うチームは少なくないはず。こっちは決勝まで行けば負けないよと、そういう自信があれば勝てるものなんだ。
 
 鹿島のDNAが発揮されるのはこれから。選手が抜けるのは大変だし、正直ダメージもある。でも、それに対する覚悟が必要。こういう時のために自分たち強化部がいるわけだから。腕の見せ所ではないけど、ここで働かなければ、いつ仕事をするんだというね(笑)。
 
 Jリーグが始まった当初はヴェルディやマリノスとやり合い、その後はジュビロと覇権を争って、次はレッズやガンバ、今ではフロンターレが好敵手に。26年間でいろんなクラブがライバルとなってきたが、我々アントラーズはJ1ではだいたい6位以内に入り、リーグタイトルを何度も掴んできた。勝つことよりも、勝ち続けることのほうが難しい。その安定感を振り返れば、これまでの歩みは間違っていないという自負はある。
 
 今年もタイトルを獲るつもりだし、獲れると確信している。
 
PROFILE
鈴木 満(常務取締役強化部長)
すずき・みつる/1957年5月30日生まれ、宮城県出身。現役時代は中央大を卒業後、住友金属工業蹴球団(鹿島の前身)に加入。89年の引退後は同クラブの監督に就任して、92年からは鹿島のヘッドコーチを務める。96年から強化の職に就き、常勝軍団の礎を築いて現在に至る。強化部長として日本ナンバーワンの実力者は、誰とでも気さくに話す人柄で、“マンさん”の愛称で多くの人に親しまれている。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
※本記事は、サッカーダイジェスト8月8日号(7月25日発売)掲載の記事から一部抜粋・加筆修正したもの。
 
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