勝敗はデータで決まる!? 強豪、流経大柏が実践する数字とデータの活用法

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平野貴也

2019年07月29日

数字を見て、皆が考える。チーム全体が成長していく

 現在、機器は30人分しか揃えていないため、使用するのは試合の時のみ。しかし、流経大柏では、もともと2年前から試合中のシュート数、ボール奪取回数、1対1や空中戦の勝敗数などについて人海戦術でデータを採取してきた。SPT導入前から、データの重要性は認識していた。

 とくに、ハイプレスと速攻が特徴のため、生まれやすくなるセカンドボー ルの奪取率を重視。高校生同士なら60%以上、大学生相手でも50%という目標を持って取り組んでいるという。少ないボールタッチ数で攻撃の展開を早めることも数字を取って示すことで向上し、不用意なボールロストから攻撃される回数が減少。近年の失点数減少は、その成果だと捉えている。

 ほかに、1~2週間の練習テーマに対して、個別に数字を取ることもある。本田監督は「面倒だけど、日本の育成はデータ活用が遅れているし、全体で進めないといけない」と課題の洗い出しや、取り組みの成果が分かりやすく、選手の課題解消にも役立つデータ利用の重要性を強調した。すでにSPTを75個追加注文しているという。

 ただし、数字だけがすべてではない。試合内容やポジションによって、数値が違うのは当然だ。データ収集と分析を担当している齋藤礼音コーチは「戦術や内容によって、出るべき数値が違うことを理解しないと、数字ないことで悩む選手も出てきます。どのように数値を見ているかを伝えることは大切です。また、選手は数値を知ることで課題を意識して努力をしようとするけど、それをどういう方法でやるかが大事」と指摘する。

 今シーズンの試合は、ボール保持回数が悪いわけではないのにシュート数が少ないという課題が出ており、ペナルティーエリア内ではボールコントロールよりワンタッチシュートを意識するように伝えたことで改善傾向が見られたという。ただし、適当に打つシュートが増えてしまえば本末転倒だ。

 齋藤コーチは「コントロールしたくなるボールをワンタッチで打つために、打ちにくいボールに慣れる必要があるので、シュート練習では少しストレスのかかるボールを打たせています」と話した。データを取り、選手にどう伝えるかを考えるうちに、指導陣も練習内容をより考えるようになったという。

 パフォーマンスの数値化は、選手の課題認識、取り組み意欲を確実に刺激する。運動量豊富な主将の八木滉史(3年)はデータ分析による成長の手応えを口にした。

「細かい位置修正などが走行距離に反映されていると感じます。ただ、監督からは『狙いを持って走った』のと『相手に走らされた』のでは、同じ数字でも意味は変わると言われていますし、 最近は試合展開も振り返って、走行距離の数字と感覚をうまく合わせて試合を冷静に評価できるようになったかなと思います。

 チーム全体でも、たとえば、FW陣は交代した選手を含めた全員の走行距離を見て、フォアチェックがどれくらいできていたかの参考にしていますし、データ化は、すごく助かっています」。

 数字の見方がブラッシュアップされ、継続して数字が蓄積されていけば、データの活用はさらに進むはずだ。指導陣や選手の意識も、トレーニング内容もつねに進化を続けて、理想のサッカーを探り続けていく。

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