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急激な世代交代のひずみ──。大量6選手が退団のガンバ大阪、舞台裏でなにが起こっているのか

カテゴリ:Jリーグ

金川 誉

2019年07月19日

ベテラン選手にとってかならずしも居心地は…

功労者・今野の電撃移籍は、チーム内に小さくない衝撃を与えた。写真:早草紀子

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 クラブが選手に熱意を示す形は、年俸や契約年数など条件面がひとつ。もうひとつは、いかに選手がこのクラブにとって必要とされているのかを感じさせることだ。そういったマネジメントの部分で、田中に対しガンバは大分以上に魅力的だと思わせることができなかった。かつてのようにクラブのブランド力で、選手を引き付けられる時代ではないという現実を、突きつけられた移籍劇でもあった。
 
 最後に、今野の移籍だ。これまで日本屈指の守備型ボランチとして、さらに遠藤保仁の名パートナーとして長くチームを支えた功労者だ。今季は負傷を繰り返し、出場機会が減っていたとはいえ、まだ十分チームに貢献できるはずの存在だった。
 
 「夏のタイミングで移籍することは考えてはいませんでしたが、ジュビロからオファーをいただいて、流れに身を任せたらあっという間に移籍することになりました。シーズン最後までみんなと戦いたかった気持ちはものすごくあったし、迷惑をかけてしまうので本当に悔しいし、チームメイトのみんなと別れるのは寂しいですが、でも、プロの世界なのでこういうことはあると思って、なんとか切り替えて、ジュビロ磐田で活躍できるように頑張りたい」
 
 このコメントだけでも、今野が決断に苦しんだ胸の内は伝わってくる。

 
 さらに「またポジション争いをして、絶対に勝ってやろうという気持ちでいたので、試合に出られないから移籍したということでは正直ないです」とも語っている。世代交代を急速に進めるチーム、そのなかでの自らの立ち位置、一方で、7年半苦楽を共にしてきたチームメイトたちへの想い。すべてを呑み込み、移籍を選んだと推測する。
 
 今回の流出劇の主な理由は、急激な世代交代のひずみだ。開幕当初、J3が主戦場だったFW食野亮太郎やMF福田湧矢、高江麗央、DF高尾瑠が成長を遂げ、トップチームに定着。その結果、ベテラン選手が押し出された。この事実は、世代交代を進めたいクラブにとって悪いことではない。FW宇佐美貴史が復帰、川崎フロンターレからMF鈴木雄斗を獲得し、さらにMF井手口陽介の復帰も狙うなど、補強も進めている。しかしそんな状況が、長くチームを支えるベテラン選手にとって、どこか居心地の悪い空気になっていたように見えた。
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