初戦敗退を喫した関東大会の県予選では「チーム内がギクシャクしていた」
キャプテンでCBの伊藤夕真が「守備のときは5バックにしてゴール前を固めて、ボールを奪ったら足の早いFWに託す。そのやり方を徹底していたけれど、市船に勝ったことが大きい。諦めずに戦えば、何かが起こるという自信があった」といえば、市立船橋戦で虎の子の1点をゲットし、この日も2得点の活躍を見せたFW佐藤大斗は「守備の時間が長かったけれど、焦れるようなことはなかった。勝負にこだわろうと酒井監督からいわれていて、それにこたえたかった」と、冷静に試合を振り返っていた。
延長にもつれ込んだ炎天下の死闘に終止符を打ったのは、エースナンバーの10番を背負うFWの長崎陸だ。怪我明けということもあって63分からの登場だったが、延長後半のアディショナルタイムに値千金のゴールを左足で叩き込んだ(3-3に追いつくPKも長崎が決めている)。
「自分の前にボールがこぼれてきたとき、“キターッ”という感じでした(笑)。強豪の流経に勝ちきるゴールを奪うことができて、本当にうれしいです」
得点をしかと見届けた長崎は、バックスタンドの応援席にまっしぐら。歓喜の輪に加わった。試合は、この直後にタイムアップ。劇的な幕切れとは、まさにこういうことだ。
延長にもつれ込んだ炎天下の死闘に終止符を打ったのは、エースナンバーの10番を背負うFWの長崎陸だ。怪我明けということもあって63分からの登場だったが、延長後半のアディショナルタイムに値千金のゴールを左足で叩き込んだ(3-3に追いつくPKも長崎が決めている)。
「自分の前にボールがこぼれてきたとき、“キターッ”という感じでした(笑)。強豪の流経に勝ちきるゴールを奪うことができて、本当にうれしいです」
得点をしかと見届けた長崎は、バックスタンドの応援席にまっしぐら。歓喜の輪に加わった。試合は、この直後にタイムアップ。劇的な幕切れとは、まさにこういうことだ。
33年ぶり2度目のインターハイ出場を成し遂げた日体大柏だが、実は、今年度に入ってからのチーム状態は芳しくなかった。ほんの2か月前、関東大会の県予選で、よもやの初戦敗退を喫し、「チーム内がギクシャクしていた」と、酒井監督は打ち明ける。県の高円宮杯U-18リーグ1部でも勝ったり負けたりの繰り返しで、今ひとつ調子が上がっていなかった。
「総体予選に向けて、どうやってチームをマネジメントしていくか。そこが監督である自分の最大のテーマでした。勝たないと次はないので、とにかく勝ちにこだわっていこう、と。さまざまな働きかけに対して、選手たちが想定以上のものを見せてくれた気がします。試合を重ねるごとに自信を深め、チームとしての可能性を感じさせてくれました」
ここ20年間のインターハイ戦績を振り返れば、千葉県勢が半数近い9回も頂点に立っている。千葉を制するものは全国を制す――。そういっても過言ではなく、この旗印のもと、新たな歴史を築いた日体大柏は令和初のインターハイ制覇に挑んでいく。
取材・文●小室功(オフィスプリマベーラ)