「自分も負けないように」と語る柏木が8番の歴史を輝かせるか。

阿部敏之。浦和出身として注目を集めた。技巧派の系譜に連なる左利きのパサーだが、8番になった02年の途中に移籍。(C) SOCCER DIGEST

山瀬功治。柏木と最も共通項があり「攻撃を司る」という8番のカラーをより濃くした。小野との新旧8番対決も実現。(C) SOCCER DIGEST
第4代の山瀬功治は、札幌では10番だった。02年8月に右膝前十字靭帯を断裂する大怪我を負い、まだリハビリをしていた03年に浦和へ移籍。すると完全復調した8月以降、エメルソンと田中達也の2トップに出色のパスを送り、さらにキレのあるドリブルと得点力をも併せ持つ近代的トップ下として活躍した。
03年6月のさいたまシティカップでは、小野が移籍したフェイエノールトと対戦し、新旧の8番が競演。「伸二さんにサッカーを教わりたい」という表現で、小野に敬意を表した。
しかし翌年9月、今度は左膝前十字靭帯を断裂してしまう。ギド・ブッフバルト監督が「山瀬の代わりなどいない」と頭を抱えたほど、他にはいないタイプの司令塔であった。
05年、清水から加入2年目の三都主アレサンドロが8番を引き継ぐ。前所属チームと浦和で8番を付けたのは三都主ひとりだけだ。「8番にはいい思い出がある」と顔をほころばせた男は、左ウイングバックを主戦場に、スピード豊かなドリブルで敵陣を切り裂いた。
速さと1対1の強さは天下一品で、清水時代の彼と対峙して散々手を焼いていた山田暢久は、「浦和・三都主」の誕生を誰よりも喜んでいた。
ただし、なぜか8番は短命だった。阿部(02年)が1年で、広瀬(97・98年)と山瀬(03・04年)が2年、海外挑戦を経て復帰した小野(99~01、07年)が通算3年半、三都主(05・06、08・09年)も4年。しかし今の6代目は、歴代最長の5年目を迎えている。これまでの歴史の流れを汲むように、二度目のJリーグ王者を狙う浦和の中盤を支えるキーマンとなっている。
「浦和の8番はいい選手がたくさんいた印象が強い。自分も負けないようにやりたい」
柏木はそう語っていたことがある。

三都主アレサンドロ。他の選手とややタイプは異なるが、プレースキッカーも担うなど足技が必須という8番の伝統を汲む。(C) SOCCER DIGEST

柏木陽介。「上手い選手が付けてきた印象」という8番を着て、歴代最長の5年目に。〝技巧派=8〞の印象を強めた。(C) SOCCER DIGEST
回顧すると浦和のナンバー8は三都主を除き、いずれも試合を組み立て、得点に絡むプレーメーカーが付けてきた印象だ。5年目の柏木は今、充実のプレーを見せている。
リーグ優勝へ――さらにもう一段高みに上れたら、先人たちとともに積み重ねてきた8番の歴史をも、さらに輝かせることになるだろう。
文:河野 正
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