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現地識者が語る“最古の世界大会”「コパ・アメリカ」の魅力。欧州にない泥臭さと究極のライバル意識、そして――

カテゴリ:ワールド

チヅル・デ・ガルシア

2019年06月14日

どれだけ勢力図が変化しようとも100年前から変わらないもの

日本が初めて参加した1999年のパラグアイ大会。この時のトルシエ・ジャパンは一勝もすることなく大会を去った。 (C) REUTERS/AFLO

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 子連れ取材となった95年のウルグアイ大会と99年のパラグアイ大会も忘れ難い。

 次女を妊娠していた95年大会では、1歳の長女と大きなお腹を文字通り抱えながら観客として観戦し、決勝後は妊婦の立場も忘れてウルグアイの優勝に沸く街中の歓喜の渦に飛び込んだ。

 そこで出会った老人から「最多優勝数を誇るウルグアイこそ真の南米チャンピオンだ。我々はブラジルもアルゼンチンも恐くない。逆に彼らは我々を恐れているんだ」と熱弁され、“南米の小国”に根付く古豪のプライドを思い知らされた。

 日本代表が初めて招待された99年大会では、現地でベビーシッターを雇っての取材となったが、首都アスンシオン以外の会場ではシッターを見つけられず、シウダー・デル・エステで、アルゼンチンがブラジルに2-1と敗れて敗退した瞬間はテレビで見届けた。

 その後、マルセロ・ビエルサ監督のチームは02年の日韓W杯の優勝候補と謳われるほどの強さを発揮するようになったが、結局、この時のコパ・アメリカと同じくブラジルが優勝、アルゼンチンは早期敗退となり、横浜でロナウドが黄金トロフィーを高々と掲げる光景を見ながら3年前にパラグアイで噛み締めた悔しさを思い出した。

 あれからちょうど20年。南米の勢力図は大きく変化した。今大会ではブラジルが優勝候補と言われる一方、世代交代の時期に差し掛かっているウルグアイ、再建が始まったばかりのアルゼンチンは厳しい戦いが予想されている。

 また、ラファエル・ドゥダメルとリカルド・ガレカの両智将が率いるベネズエラとペルーは、長期強化計画に基づいて着実にレベルを高めており、侮れない。

 ロシアW杯出場を逃したディフェンディングチャンピオンのチリは復活を目指し、エクアドルやパラグアイはあくまでも照準をカタールW杯出場に定め、国民からのネガティブな評価を受けながらも、今大会を巧みに活用してチームの改革を試みるだろう。

 招待国の日本とカタールは、今やFIFAランキングで一部の南米諸国より上位につけ、アジア勢の力が伸びていることを印象付けている。

 だが、どれだけ力関係が変わろうとも、コパ・アメリカには、100年前から変わらないものがある。勝利への貪欲さ、歴史がもたらす自信と誇り、究極のライバル意識、そして情熱、だ。

 この変わることない南米の熱き戦いを、私は今回もじっくり楽しみたいと思う。

文●チヅル・デ・ガルシア
text by Chizuru de GARCIA
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