30日未明にカリアリ戦!! 好調・本田圭佑のプレーを現役イタリア人監督が徹底分析

カテゴリ:メガクラブ

ロベルト・ロッシ

2014年10月28日

本田の能力を最も生かせるのは、やはりトップ下だ。

10月19日の7節・ヴェローナ戦では2得点をマーク。高評価をたしかなものとした。(C) Getty Images

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 総合的に見れば、右ウイングとしての本田のプレーは、間違いなく及第点を上回る水準にある。しかし、ここまでの分析を見ても分かるように、本田にとってこのポジションが、持ち味を発揮するうえでベストかと言われれば、疑問符が付く。
 
 本来、「左利きの右ウイング」に期待されるのは決定的な場面を作る仕事だろう。具体的に言えば、サイドから単独でエリア内に入り込んでフィニッシュに絡む突破力、オフ・ザ・ボールで裏のスペースに走り込んでスルーパスを引き出す動きだ。しかし本田には、まさにその部分で物足りなさが残る。カウンターからのフィニッシュでは貢献しているが、ビルドアップからの攻撃では、決定機につながるプレーをほとんど見せていないのは動かしがたい現実だ。
 
 しかしそれは、本田の能力が「足りない」のではなく、このポジションに「向いていない」のが原因だ。
 
 本田は瞬間的なスピードに欠けるが、優れたキープ力と傑出した戦術眼を持ち、狭いスペースでも連係ですり抜ける技術、シュートとアシストのセンスも備えている。そうした長所を最も発揮できるのは、ピッチ中央のゾーン、つまりトップ下だ。
 
 相手のライン間で数多くのボールに触り、コンビネーションからアシストやシュートなどフィニッシュに絡む形でこそ、本田は“違い”を作り出せるのだ。しかし、右ウイングでプレーしている限り、本田が持つ本来の能力を発揮する機会は、極めて限定的なものにならざるを得ない。
 
 現在、本田が右ウイングで見せているパフォーマンスは、おそらく最大値に近いだろう。限られた機会で結果を残しており(シュート6本で4得点は素晴らしい確率だ)、これ以上は期待できないと思う。
 
 それほど適性がない右ウイングでこれだけやれているのだから、トップ下でプレーする姿を見てみたい。そのためには、インザーギ監督が現在の4―3―3から4―2―3―1に変更する必要があるのだが……。
 
分析:ロベルト・ロッシ
プロフィール/62年3月16日生まれ。選手時代はMFで、元イタリア代表監督のアリーゴ・サッキや日本代表監督のアルベルト・ザッケローニに師事。99年に引退し、ザッケローニのスタッフ(インテル・ミラノなどでコーチ兼スカウトを務めた)を経て、13-14シーズン途中からイタリアのフォルリ(今季3部)を指揮。
 
取材・翻訳:片野道郎
 
※『週刊サッカーダイジェスト』11月4日号より
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