「やっぱりサッカー専用スタジアムを考えていて、ショッピングモールなども併設した複合型施設の形を目指しています。そこに『キャプテン翼ミュージアム』も入れたりできたらいいですね」
もちろん、スタジアムは基本的に試合を開催するためのものだが、「試合のある週末だけでなく、平日でも人が来てくれるような施設にできればいいなと。海外のスタジアムを見ると、そうしたイメージの施設が多いですよね」と、日頃から人を惹きつける街のシンボル的存在になることを願っている。
そして、新スタジアムの構想がいよいよ現実味を帯びてきた時、南葛SCはさらなる高い目標に向かって走り出しているはずだ。高橋氏がチームの未来に描く夢とはいかなるものなのか。
「近未来では、スタジアムを作ってJ3で戦うというところなんですが、そこから先はやはりJ1を目指して、ということになるでしょう。さらに先へとなると、もちろん世界の舞台が視野に入ってきます。何年かかるか分かりませんが、ゆくゆくは全世界に認められるようなビッグクラブに育ってもらえたらと思っています。まあ相当先かもしれませんが、夢を見るのは勝手なので(笑)」
3月4日には、漫画制作の仕事場に程近い京成電鉄四ツ木駅で、『キャプテン翼』の特別装飾(ラッピング)が完成。子どもの頃からアニメの大ファンだったというアンドレス・イニエスタも駆け付けた完成記念イベントでは、南葛SCのアカデミーでボールを蹴る子どもたちもその様子を見守った。
「何年後かに、アカデミーの子どもたちの中から将来の南葛を支えてくれる選手が現われるのかなと思うと楽しみですね」
理想の未来について言及した高橋氏。おそらく、トップチームのステップアップとともに、そうした流れは遠からず実現することになるはずだ。もちろん、日本代表でプレーしたり、海外からのオファーが舞い込んだりするような、まさに翼くんのようなヒーローが誕生するのも夢ではないだろう。
(このシリーズ了)
取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)
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