前評判が高かった清水の現状は?新システムを採用した開幕戦の出来を徹底検証

カテゴリ:Jリーグ

前島芳雄

2019年02月25日

怪我のエウシーニョが戻ってくれば、ポゼッション力も攻撃のバリエーションも向上するはず

 また相手に押し込まれた時は、最終ライン5枚、中盤4枚のブロックを作るため、前線は北川1枚になる。その際「ボールを奪った後に、ひとつ目のボール(パス)をどこに持っていくのかというのが、まだ明確になってなかった」(河井)という面があり、前で孤立する北川もキープしきれず、すぐに奪い返されてしまう状況が目立った。そこも今後に向けての課題となる。
 
 その意味では、翌日(24日)の練習試合で2トップ(3-5-2)の形も試しており、それも今後のオプションのひとつになる可能性がある。
 
 そうした課題がいくつか表われたため、押し込まれた状況からなかなか抜け出せない時間帯もあった。そして攻め続けられた中で、クロスボールを跳ね返したセカンドボールからエミル・サロモンソンに豪快な同点ボレーを決められてしまった。
 
 クロスを跳ね返すという面に関しては、パトリックに危険なヘディングをされた1回以外は問題なかったが、「(失点シーンは)うちのラインは7人ぐらいが一直線になっていた」(金子)とセカンドボール対応には課題が残った。
 
 ボランチの河井も「みんな守備の意識が高くて(ゴール前に)戻れてはいるけど、どのポジションに入るかという部分は少し修正が必要。そこが明確になってくれば、もっとうまく守れると思います」と言う。

 細かく見れば他にもさまざまな要素が上げられるが、開幕戦で見えた新システムの手応えと課題は上記が主なところ。新たな試みなので細かい課題は多いが、そこは監督も選手たちも十分に把握しており、修正もそれほど困難ではなさそうだ。
 
 また、怪我で開幕戦を欠場したエウシーニョが右ウィングバックに戻ってくれば、ポゼッション力も攻撃のバリエーションも向上するはず。元々エウシーニョをより生かすことが新システムの狙いのひとつなので、彼が復帰した時にどんな効果が生まれるかが楽しみだ。
 
 昨年と同様、自分たちの良さを出せるスタイルを戦いながら少しずつ作り上げていくという前提で考えれば、けっして悪くないスタートだったと言えるのではないだろうか。
 
取材・文●前島芳雄(フリーライター)
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