その直後の60分、宮本監督は高に代えて新加入の田中を右サイドハーフに配備。システムは変えずに小野瀬を左に回し、倉田をボランチに下げた。さらに71分には小野瀬をベンチに下げて渡邊を前線に投入。かなり前がかりな攻撃的シフトに転換し、局面の打開を図った。
一気にボール支配を高めて攻勢に転じたものの、横浜に慎重なリトリートで容易く応対され、Ｇ大阪はチャンスさえ掴むに至らない。膠着した状態に持ち込まれ、パスワークを寸断された。88分に田中のクロスを横浜守備陣が処理しそこね、流れた球を藤春が決めて１点差には詰め寄ったが……。これが精一杯だった。
スコアは２－３ながら、シュート数が10本対24本と内容で完敗を喫したＧ大阪。これでＪ１リーグの開幕戦は８年連続で白星なしだ（３分け５敗）。ポジティブなムードに包まれていた試合前から一転、本拠地パナスタはなんとも言えない悲壮感に包まれた。
スローガンに「GAMBAISM」を掲げた２年目の宮本ガンバが、厳しい船出を余儀なくされた。
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