【松木安太郎】悔しいけれど力負け。劣勢を覆すベンチワークが必要だった

カテゴリ:日本代表

松木安太郎

2019年02月02日

新たな引き出しを増やしていかないと、チームは成熟していかない

 日本は試合を通じて劣勢を強いられたけど、そういう時は「チームとしてどうするか」という意思統一をハッキリさせる必要があるんだ。例えば、攻撃の時に必ずサイドの選手が追い越すとか、守備をマンツーマンにして徹底的に人を抑えるとか、ある程度の決まりごとがあるとチームにはひとつの方向性ができる。日本には、そういう部分が欠けていたように思う。
 
 もちろん、選手自身がピッチ内で解決できればいいけど、外から見ているベンチの指示もほしかった。一度、大迫がベンチに聞きにきて中盤に厚みを持たせるような形に変わったけど、あれをもっと早い時点でベンチが決断すべきだったんじゃないかな。
 
 特に悔やまれるのが、2失点目のシーンだ。日本の対応の甘さが、端的に現われた場面だよね。中盤の人数は足りているけど、守備がルーズになってミドルシュートを打たれた。誰がマークに付くのかハッキリしていれば、あの失点は避けられたと思う。
 

 一人ひとりの課題というよりも、チームとしての戦い方を明確に打ち出せなかったのが決勝の敗因。引かれた時の攻撃のバリエーションはもちろん、守備のやり方も詰める部分が大いに残されている。試合中のシステム変更も含めて、新たな引き出しを増やしていかないと、チームは成熟していかないだろう。
 
 ポジティブな面を挙げるとすれば、若手がこの大会で成長したことかな。特に冨安はかなり存在感を増したと思う。ボール際の強さもあるし、ハートの強さもある。攻撃に移った時もしっかりパスを出せていた。CBとしてどういうタイミングで攻撃参加すればいいかをわかっていたよね。経験のある吉田とコンビを組んだことで、いろいろと学んで経験値が上がったはずだ。今大会ですごく成長した選手のひとりだろう。
 
 日本代表は6月のコパ・アメリカに参加するけど、所属クラブとの兼ね合いで、今回のようなメンバーは組めないはずだ。おそらく、新しい選手の発掘の場になる。そこで今大会の冨安のような存在が台頭してくると面白い。良い競争をしてチーム力を底上げしてほしいね。

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