丁寧につなぐスタイルを封印。地味な駆け引きも厭わず「チームがひとつにまとまった」
決勝ではチーム全体で常盤木の寄せの速さを警戒し、中盤には高井咲都ではなく、より守備力のある武莉子を起用。アンカー・針生理菜から丁寧につなぐスタイルも封印し、ビルドアップ時には一列飛ばして、望月今日へ預けた。さらに安保舞美を裏に走らせて、常盤木の最終ラインの押し上げを牽制。こうした我慢比べは星槎湘南の負けパターンだったが、この冬はチーム全員が受け入れ、地味な駆け引きも厭わない。
もちろん、相手の出足を止めたうえで、加藤ももの仕掛けを増やしたり、好ポジションに落ちていた遠藤を絡めたり、きれいな崩しを見せたい意図もあったのだろう。サイドハーフ封じに力を割いた阿久井泉、国部碧らも、本来、前をサポートできる選手。そうした「らしさ」を出せなかったことを口にする選手も少なくなかったが、その時、結果がどう転んでいたのかは分からない。
「(これまでとの違いは)『一戦突破』に向けて、チームがひとつにまとまったこと。我慢強くなったと思います」と黒柳。
磨き抜かれた技術と、理詰めのサッカー観。そこに加えられた精神力。昨年なでしこジャパン入りした宮澤ひなた(日テレ・ベレーザ)を擁しても3大会で1勝もできなかったチームは、この冬、5勝を積み重ね、全国の頂点へとたどり着いた。
取材・文●西森 彰(フリーライター)
もちろん、相手の出足を止めたうえで、加藤ももの仕掛けを増やしたり、好ポジションに落ちていた遠藤を絡めたり、きれいな崩しを見せたい意図もあったのだろう。サイドハーフ封じに力を割いた阿久井泉、国部碧らも、本来、前をサポートできる選手。そうした「らしさ」を出せなかったことを口にする選手も少なくなかったが、その時、結果がどう転んでいたのかは分からない。
「(これまでとの違いは)『一戦突破』に向けて、チームがひとつにまとまったこと。我慢強くなったと思います」と黒柳。
磨き抜かれた技術と、理詰めのサッカー観。そこに加えられた精神力。昨年なでしこジャパン入りした宮澤ひなた(日テレ・ベレーザ)を擁しても3大会で1勝もできなかったチームは、この冬、5勝を積み重ね、全国の頂点へとたどり着いた。
取材・文●西森 彰(フリーライター)