世界各地を飛び回った男は、なぜ英7部に?
そんなカレンのキャリアは、稀有なものだと言っても過言ではない。
一般的なファンであれば、「カレン・ロバート」と聞けば、2003年、増島竜也(現・ジェフ千葉)や佐藤優也(現・ジェフ千葉)ら多くのタレントを擁した市立船橋高校の一員として出場した横浜F・マリノスとの天皇杯3回戦で、PK戦まで持ち込んだ時のヒーロー像としての記憶が強いだろうが、彼はプロになってから世界各地を飛び回った。
2011年にロアッソ熊本からVVVへ移籍して2年間を過ごした後、スパンブリーFC(タイ)、ソウルイーランド(韓国)、ノースイースト・ユナイテッドFC(インド)と渡り歩き、2018年7月からいわゆるセミプロの英国7部リーグに属しているレザーヘッドFCでプレーを続けている。
なぜ彼は、今になって英国に活躍の場を求めたのか? 当人からの返答は、実に単純明快だった。
一般的なファンであれば、「カレン・ロバート」と聞けば、2003年、増島竜也(現・ジェフ千葉)や佐藤優也(現・ジェフ千葉)ら多くのタレントを擁した市立船橋高校の一員として出場した横浜F・マリノスとの天皇杯3回戦で、PK戦まで持ち込んだ時のヒーロー像としての記憶が強いだろうが、彼はプロになってから世界各地を飛び回った。
2011年にロアッソ熊本からVVVへ移籍して2年間を過ごした後、スパンブリーFC(タイ)、ソウルイーランド(韓国)、ノースイースト・ユナイテッドFC(インド)と渡り歩き、2018年7月からいわゆるセミプロの英国7部リーグに属しているレザーヘッドFCでプレーを続けている。
なぜ彼は、今になって英国に活躍の場を求めたのか? 当人からの返答は、実に単純明快だった。
「サッカーの母国であるイギリスでプレーすることは、ずっと目標にしていたので、ここ(英国)で評価されたいと思っていました。実際、オランダのプレーオフで活躍した時には、すぐにQPRやストーク(※いずれも当時プレミア)から身分照会もあって、(移籍の)可能性もなくはなかった。
サッカーが本当に生活に根付いている中で、活躍して認められるってどんな感じだろうかと体験してみたかった。
先日、北アイルランド出身の父親が試合を見に来てくれたけど、数百人の地元の観客を前にプレーする自分の姿を久々に見て喜んでくれたのは、かなり素敵な時間でした」
では、実際の7部リーグの現状とは、いかほどのものなのだろうか?
「やっているサッカーといえば、下部リーグのプレースタイルは伝統的な『ザ・キック・アンド・ラッシュ』。めっちゃ蹴りますよ。けど、それはなぜかといえば、ピッチの芝が良くないから。でも、その試合がつまらないかというと、迫力があって面白い。違うスポーツをやっている感覚なんです。
空中戦で身体と身体がぶつかる激しい音であったり、タックルの入り方の深さで、観客が盛り上がる。セミプロには、本当に若い選手たちが降りてきて、修行を続けていて、選手層の厚さを感じます」
今週末の5日からイングランドでは、プレミアリーグ勢も登場するFAカップが再開される。この世界最古のカップ戦の予備予選に、かくいうカレンも出場していた。惜しくも、結果は予選4回戦負けだったが、大会の歴史の深さを肌身で感じていた。
「予選4回戦まで勝ち上がり、残り数試合で2部以上のクラブとの対戦が可能だっただけに本当に残念だったけど、FAカップの盛り上がりは凄かった。ファンのテンションもいつもと違うし、クラブの財政も懸かっていて、感じる期待が明らかに違いました。普通、アウェーゲームは現地集合だけど、このときだけは、バスがクラブから出ていましたから。これがジャイアントキリングへの期待感か、と思いました」