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Jを席巻するドリブラー、チャナティップの原点。「将来はマラドーナのような選手に」と父は言った

カテゴリ:Jリーグ

長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年11月23日

「最近だとシュートのことかなあ。『しっかりやれよ』と」

今でも父とは時々ボールを蹴ることがあるという。昔ほどではないが、厳しい指摘を受けることも。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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“タイのメッシ”という異名をとるようになったのも、そのルーツを知ればなるほど合点がいく。ピッチ上では、父親の願いを叶えるように成長したサッカー少年が、次々とJのディフェンダーたちを翻弄。現に展開されているそうした絵図は、チャナティップと父が思い描いていた未来だったのか。
 
「ボールを蹴り始めた頃からドリブルを意識していたかどうかは思い出せませんが、やっぱり純粋にボールを蹴っているのが楽しかったんですよね。もちろん、そのなかで、どこでドリブルをしていいのか、いつパスを出せばいいのか、というプレーの判断も学びましたね」
 
 父から教わったことは今でも自分のプレースタイルのベースとして生きている。Jリーグでも有数のドリブラーに数えられるまでになったタイ代表アタッカーは謙虚にそう語る。
 
「プロになってもサッカーのベーシックな部分というのは、ドリブルとかシュートとか、そんなに変わらない。だから子どもの頃に教わったことは、とても大切だと思うんです」
 
 プロになってからもチャナティップは父からのアドバイスに耳を傾けることが多いという。時間があれば一緒にボールを蹴りながら指導を受けることもあるというが、「最近だと、やっぱりシュートのことかなあ。『しっかりやれよ』と」厳しい指摘がなされることも。
 
 それでも父は丸くなったと感じている。
「けっこう厳しく指導されてきたんですけど、まあ最近はそこまで厳しくはないですよ(笑)。日本に来てからは話す機会も減りましたし、どちらかと言えば、母と会話をする時間が多くなりましたから」
 
 父とのトレーニングで身に付けたそのスキルフルなスタイルで、チャナティップは札幌をACLに導けるだろうか。
 
取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb)
 
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