キルギス戦の報道に覚えた違和感。「アジア」を一括りにするのはマイナスにしかならない

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2018年11月21日

キルギスの守備状況に対して放った森保監督の一手は実に効果的だった

戦況を見て主力組を投入した森保監督の采配によって、日本の攻撃は活性化した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 2か月後には、アジアカップがUAEで行なわれるが、「アジア」と一括りにした大雑把な情報は、国際大会の魅力を損なわせる。実にもったいない。
 
 また、「対アジア」ではなく、「対キルギス」として試合を見ると、後半の選手交代によって一気に試合が動いたことも容易に理解できる。
 
 試合の序盤に機能した一定のパターン。つまり、山中亮輔と室屋成を高い位置へ上げたサイド攻撃や、原口元気や伊東純也の個の仕掛け、飛び出し。これらにキルギスが慣れてくると、日本の攻撃は手詰まりになった。
 決してキルギスの守備が完璧だったわけではない。前述のとおり、人に釣られるマンツーマン傾向が強いため、センターバックが自分のポジションに穴を空ける場面がかなり見られる。しかし、そのスペースを突く連係、連動が生まれず、そのまま停滞感となった。
 
 59分、森保一監督は動く。
 
 杉本健勇→大迫勇也、伊東→堂安律、三竿健斗→柴崎岳と3枚替え。これで試合は劇的に変わった。大迫が下がってスペースの穴開け作業を行ない、そのスペースを堂安が使っていく。中島翔哉や南野拓実ではなく、連係プレーでマンツーマン守備の隙を突くのがうまい堂安を先に入れたのは、象徴的な采配だ。さらに縦パスの意識が強いボランチ、柴崎も投入した。
 
 キルギスの守備状況に対し、非常に効果的な一手だった。できればスタメンの選手で、ここまで解決できれば良かったが。相手を見ることで、試合の状況は解決される。また、より面白く観戦することもできるのではないか。
 
文●清水英斗(サッカーライター)
【関連記事】
【キルギス戦|動画&記事一覧】解説:セルジオ越後、釜本邦茂、金田喜稔、採点&寸評、プレー分析、PHOTOギャラリーetc.
【セルジオ越後】アジア杯への懸念はボランチと切り札。解決されないと中島と堂安の負担が…
【釜本邦茂】インパクトに欠けたキルギス戦。シュート1本の相手に対して物足りなさが残ったワケは?
『ボールくれ』『20分しかないぞ』”停滞感”を打破した堂安の強気なメンタリティ
【日本代表】キルギス戦を盛り上げた美女サポーターたち!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ