湘南の守備はすでに“ゾーン”に入っていた
湘南のほとんどの選手がJ1クラスの大会で、決勝戦のピッチに立つのは初めてである。それでも曺監督の言葉に促されるように、選手たちはアグレッシブな姿勢を貫き、序盤からペースを握った。開始1分ですでに2回のシュートチャンスを作った滑り出しが象徴的だ。
猛攻を受けた後半も、持ち前の粘り強さで凌ぎ切り、36分に杉岡大暉が奪った虎の子の1点を、見事に守り切った。むしろ、この日はいつも以上に高い集中力を保っていたようにも見えた。坂の言葉を借りれば、まさに「夢中」だった。
猛攻を受けた後半も、持ち前の粘り強さで凌ぎ切り、36分に杉岡大暉が奪った虎の子の1点を、見事に守り切った。むしろ、この日はいつも以上に高い集中力を保っていたようにも見えた。坂の言葉を借りれば、まさに「夢中」だった。
一方で、立ち上がりにいきなりリズムを崩された横浜は明らかに困惑。ようやく後半に本来のアタッキングスタイルを取り戻してきたものの、やはりすでに“ゾーン”に入っていた湘南の強固な壁を破ることはできなかった。
横浜の天野は、こう述懐する。「技術云々ではなく、優勝するという想い。前半の笛が鳴った時から、その気持ちを持ってもっと表現すべきだった。逆に湘南のほうが上回っていた」。
大舞台を楽しみ、自分たちのスタイルを体現した湘南。逆に楽しむことを忘れ、雰囲気に飲み込まれていった横浜。試合に臨むメンタリティの差は明らかだった――。勝敗の行方は、試合序盤ですでに決していたのかもしれない。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部
横浜の天野は、こう述懐する。「技術云々ではなく、優勝するという想い。前半の笛が鳴った時から、その気持ちを持ってもっと表現すべきだった。逆に湘南のほうが上回っていた」。
大舞台を楽しみ、自分たちのスタイルを体現した湘南。逆に楽しむことを忘れ、雰囲気に飲み込まれていった横浜。試合に臨むメンタリティの差は明らかだった――。勝敗の行方は、試合序盤ですでに決していたのかもしれない。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部