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代表選外はタイミング的にも好都合! 今季初ゴールの武藤嘉紀がプレミアリーグで見据えるもの【現地発】

カテゴリ:海外日本人

松澤浩三

2018年10月11日

「先発で使って何もなかったら、俺の評価は決まる」

ベニテス監督(左)からは、コミュニケーションの問題や戦術的面でフィットしていないことを指摘され、途中出場が続いていた武藤(右)。それだけにユナイテッド戦でのゴールは、してやったりの一撃だった。 (C) REUTERS/AFLO

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 試合後の武藤も、「先発で使って何もできなかったら、俺の評価はそこで決まってしまう。かつ、次に使ってもらえるのはいつになるか分からない。7戦やって、やっと回ってきたチャンス。これを逃したら、本当に今シーズン先発で出れるかどうか分からないという風に思っていた」と振り返った。

 そして、「(ゴールが決まったのは)いい一歩、前進できる。FWは、点を決めれば価値が上がるもの。この1点に満足せず、これを続けて行くことが大事」と、手応えを口にしている。

 この試合までのベニテス監督は、自身が今夏に獲得した背番号13について、「技術と能力は高い」と認めていたものの、「早くリーグに適応しなくてはならない」と苦言を呈し、さらにユナイテッド戦前日の記者会見では、英語力不足にも言及していた。

 しかし、武藤本人はこれらを意に介さず、逆にこの1点により、状況に変化が起きるだろうと期待する。

「『英語がしゃべれないから』とか、先発じゃない理由をつけたいんじゃないですかね。でも今日、こうやって結果出したから、たぶんコロっと変わりますよね」

 武藤の言葉どおり、サッカーの世界、特にプレミアリーグでは時の移り変わりがとても早い。それだけに、チャンスが訪れたときに掴み取ることは特に肝要となる。すなわち、今回の代表招集漏れと移籍後初ゴールのタイミングは、ニューカッスルでまだ足場を固めきれていない26歳のFWにとって、好転に繋がると考えるべきなのだ。

 これは、プレミアリーグの先輩である吉田麻也や岡崎慎司の例を見ても明らかだ。

 思い出されるのは、レスターが“奇跡のリーグ制覇”(2015-16シーズン)を果たした翌シーズン、10月の代表戦後に行なわれたチェルシー戦後の記者会見での出来事だ。筆者は当時チームを率いていたクラウディオ・ラニエリに、「なぜ、岡崎はスカッドに入っていないのか?」と質問した。

 するとイタリア人指揮官は、「長距離移動をした後のシンジは、シンジではない。あれは彼の兄弟だ。異なったほかの選手だとしか考えられない」と、ユーモアをまじえながら答えてくれた。

 プレミアリーグから日本代表に合流する選手は、1週間で長距離のフライトを最低2度強いられ、さらに1、2試合をこなしてイングランドへ戻る。比較的時差の少ない欧州やアフリカでの代表戦に参加した選手たち(さらに最近は、南米の国々の親善試合は欧州やその近辺で開催されることが多い)とは、消耗度が違うというのが一般的な考えなのだ。

 だからこそ今回の代表招集外は、武藤にとってポジティブなものなのである。そして本人も前向きに考えている。

「今はチーム(ニューカッスル)に集中できるって、良く捉えないと。最高のリーグにいるわけですから、ここでまたさらに一つ成長できればと思います」

 開幕から2か月。待望の初ゴールにより、フットボール発祥の地でようやく第一歩を踏み出した武藤。今後、その歩みをさらに強めて、11月に開催されるベネズエラとキルギスとの親善試合で、森保ジャパン初招集、そして代表とクラブの両方での不動のレギュラー定着を目指す。

取材・文●松澤浩三
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