パスの技術を極めて独自性を追求すべき
ショートパス戦法を編み出したスコットランド人にサッカーを学んだビルマ(現ミャンマー)人留学生のチョウ・ディンから、そのスタイルを伝授されたのが1920年代の初め。以来、第二次世界大戦前にはフィジカルに優れた中国や朝鮮半島のチームに勝つため、また戦後には独立して日本のライバルとなった韓国と対等に戦うため、さらにはヨーロッパや南米の先進国に挑むため、日本サッカー界は100年近くにわたってパスサッカーを磨いてきた(1960年代から70年代にかけて技術レベルが低下し、パスサッカーができない低迷期もあったが)。
もちろん、ワールドカップで勝ち上がるには、現状ではパスの精度もスピードも足りない。だが、将来的にはその技術をさらに究めて、正確かつ高速のパスを回すことで敵陣を切り裂けるレベルを目標としたい。
もちろん、ワールドカップで勝ち上がるには、現状ではパスの精度もスピードも足りない。だが、将来的にはその技術をさらに究めて、正確かつ高速のパスを回すことで敵陣を切り裂けるレベルを目標としたい。
確かに、縦に速いサッカーなどヨーロッパの最新トレンドも取り入れる必要はある。しかし、それに振り回されるのは愚かだ。同じ土俵で戦っていたのでは、いつまで経っても彼らを超えられない。やはり日本人選手の特性を活かすべく、独自性を追求していくべきではないか。
集団的なパスサッカーで、世界を(少しだけ)驚かせることに成功したロシア・ワールドカップ。これが、日本サッカーの進むべき方向性を示す「道標」となるよう期待したい。
文●後藤健生(サッカージャーナリスト)
集団的なパスサッカーで、世界を(少しだけ)驚かせることに成功したロシア・ワールドカップ。これが、日本サッカーの進むべき方向性を示す「道標」となるよう期待したい。
文●後藤健生(サッカージャーナリスト)