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戦前の予想を覆した「年功序列ジャパン」の快進撃。けれど、日本サッカー全体の経験値は…【ロシアW杯】

カテゴリ:日本代表

吉田治良

2018年06月26日

ベスト16、さらにはそれ以上の成果を残すことが最優先の目標だが…

中盤に絶対不可欠な存在となった柴崎も、4年後には30歳。次の大会を見据えた若手の育成には手がついていない。(C)Getty Images

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 エデン・アザールを筆頭にタレント揃いのベルギー、もとより平均年齢が日本より3歳近くも若く勢いのあるイングランドと、できればフレッシュな状態で戦いたかったというのが本音だろう。
 
 ベテランを中心に、今の西野ジャパンは強く団結し、チームの雰囲気も非常に良い。つくづくサッカーとはメンタルのスポーツだと思うが、しかし良好なメンタルが良好なフィジカルコンディションにこそ宿るのも、また事実なのだ。
 
 セネガルに勝っておきたかった理由は、もうひとつ。日本サッカーの未来のためだ。
 
 なによりも経験値を優先した今大会のメンバー構成は、一方で4年後、8年後の空白を生みかねない。もはや中盤に絶対不可欠な存在となった柴崎も、4年後には30歳だ。
 
 登録メンバーに10代はもちろんひとりもいないし、20代前半の選手も23歳のGK中村航輔とCB植田直通だけ。だから、少なくとも大島僚太や遠藤航(ともに25歳)を含めたリオ五輪世代には、ワールドカップの雰囲気を、ベンチではなくピッチで感じさせておく必要があると思う。
 
 そのためにもセネガルに勝ち、ポーランド戦を“未来につながる消化試合”にしたかった。ベンチの切り札のファーストチョイスが本田であり、その次が岡崎である状況ならば、なおさらだ。
 
 こうして今、長谷部や長友が泰然自若として振る舞えるのも、香川真司や吉田麻也、大迫勇也が4年前とは比べ物にならないほど落ち着いてプレーできるのも、南アフリカ大会の歓喜、ブラジル大会の悔しさ、あるいはその両方を知っているからだ。
 
 もちろんベスト16、さらにはそれ以上の成果を残すことが最優先の目標だろう。けれどこの大会を通じて、日本サッカー全体の経験値をさほど底上げできなかったとしたら、それはちょっと残念だ。

文●吉田治良(スポーツライター)
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