西野ジャパンが内包する"温度差” ブラジル大会の「リベンジ」では一体感は生まれない

カテゴリ:国際大会

佐藤俊

2018年06月19日

選手全員がワクワクするような共通の目的はいったい何なのか

西野監督が「グループリーグ突破」という目標を掲げているが、その先の目的について何も見えてこない。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

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 また、本田圭佑が「ワールドカップ優勝」と目標を公言しているが、他の選手たちの反応が薄いのはその目標自体が現実的ではないのと同時に、その目標の先が見えないからである。優勝して西野監督を男にしたいという目的があるのであれば、そのためにチームがひとつになれる可能性がある。だが、本田の言葉には優勝して、どうしたいのか、目標の後の大きな目的が欠落している。
 
 選手は、ワールドカップで活躍していいクラブからのオファーを受けたい、あるいはゴールをたくさん挙げてビッグクラブでプレーしたい等々個々の目標があるだろう。だが、チームとしては西野監督が「グループリーグ突破」という目標を掲げているが、その先の目的について何も見えてこない。
 
 “グループリーグ突破を実現して、低い下馬評を見返してやる”
 
 指揮官がこう言えば、共通目的を持ったチームは「やってやろう」と盛り上がるだろう。だが、選手の言葉を聞いていると、そういう話もなく、西野監督もあまりそういうことを言いそうにないタイプだ。また、本田は「一体感は本来、日本人がもともと持っているもの」と言った。しかし、持っていてもそれを引き出すフック(目的)がなければ一体感は生まれないし、それを高めていくことはできない。
 
 このチームは、ワールドカップで何をしたいのか。
 チームの選手全員がワクワクするような共通の目的はいったい何なのか。
 目的がなく、仲が良いだけのチームから一体感は生まれない。
 
取材・文●佐藤俊(スポーツライター)

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