矢部理事長が「今回の件で憎しみを生みたくない」と語った理由は…
「この一週間でいろんなことがありました。混乱もしたけれど、選手は歯を食いしばってやってくれた。クラブとしても、この決定を受け入れてPK戦のやり直しに挑戦したい」と矢部理事長は話し、金久保についても「駆け引きが上手で、チームのキーマンのひとり。彼のキックが正しいものだったことを皆さんにわかってもらいたいし、協会にも『公式サイトや会見でその旨を明らかにしてほしい』という要望は出しています」と、選手の名誉を守りたい胸の内を明らかにしている。
同時に「今回の件で憎しみを生みたくない」という思いも強くあるようだ。矢部理事長は現役時代に名古屋でプロのキャリアをスタートしており、奈良クラブを立ち上げてからも練習試合を定期的に行ない、奈良県出身のGK楢崎正剛の存在もあり交流を深めてきた。遺恨を残してしまうのは本意でないだろう。
そして、当該試合を担当したレフェリーについても言及した。
「選手やクラブはサポーターが応援してくれるけれど、レフェリーはそうじゃない。彼らがいないと試合は成立しないし、サッカーファミリーの一員でもある。綺麗ごとかもしれませんが、彼らのことも守ってあげたい」
天皇杯2回戦は全国で32試合が行なわれたが、それを実施するための1級審判員の数はギリギリだったという背景もある。もちろん今回の判断ミスと適応ミスについては指摘されるべきだが、彼らを責めて終わりではなく、サッカー界全体の問題としてルールの周知や審判員の育成に励むべきではないだろうか。
「協会の方はロシア行きを遅らせて奈良へ直接来て、説明時には涙を流される場面もありました。真摯な対応だったし、協会を責めるつもりもありません」と、ネガティブなニュースにならないことを望んでいる。
気になるPK戦“やり直し”の日時や場所などは現在協議中で近日中に発表される見通しだが、関係者によると同じ場所で、リセットされた状況でひとり目から再開、基本的には同じ選手で行なうが怪我人などが出た場合は柔軟に対応する、といった方針が出ているという。
国内はもちろん、JFAが問い合わせた国際サッカー評議会(IFAB)の最高責任者も「記憶に無いし、聞いたこともない事例だ」と話すなど、世界的にも前代未聞のPK戦のやり直しは、果たしてどの様な結末を迎えるのだろうか。
取材・文●雨堤俊祐(フリーライター)
同時に「今回の件で憎しみを生みたくない」という思いも強くあるようだ。矢部理事長は現役時代に名古屋でプロのキャリアをスタートしており、奈良クラブを立ち上げてからも練習試合を定期的に行ない、奈良県出身のGK楢崎正剛の存在もあり交流を深めてきた。遺恨を残してしまうのは本意でないだろう。
そして、当該試合を担当したレフェリーについても言及した。
「選手やクラブはサポーターが応援してくれるけれど、レフェリーはそうじゃない。彼らがいないと試合は成立しないし、サッカーファミリーの一員でもある。綺麗ごとかもしれませんが、彼らのことも守ってあげたい」
天皇杯2回戦は全国で32試合が行なわれたが、それを実施するための1級審判員の数はギリギリだったという背景もある。もちろん今回の判断ミスと適応ミスについては指摘されるべきだが、彼らを責めて終わりではなく、サッカー界全体の問題としてルールの周知や審判員の育成に励むべきではないだろうか。
「協会の方はロシア行きを遅らせて奈良へ直接来て、説明時には涙を流される場面もありました。真摯な対応だったし、協会を責めるつもりもありません」と、ネガティブなニュースにならないことを望んでいる。
気になるPK戦“やり直し”の日時や場所などは現在協議中で近日中に発表される見通しだが、関係者によると同じ場所で、リセットされた状況でひとり目から再開、基本的には同じ選手で行なうが怪我人などが出た場合は柔軟に対応する、といった方針が出ているという。
国内はもちろん、JFAが問い合わせた国際サッカー評議会(IFAB)の最高責任者も「記憶に無いし、聞いたこともない事例だ」と話すなど、世界的にも前代未聞のPK戦のやり直しは、果たしてどの様な結末を迎えるのだろうか。
取材・文●雨堤俊祐(フリーライター)