【セルジオ越後の天国と地獄】第1戦は完全な負け試合。力の差を見せつけられた

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年06月19日

強いチームに負けるのは当たり前。自分たちの足下を見つめて、できることから。

ザッケローニ監督は、試合終盤にロングボールの放り込みを指示。それをやるなら他に人材はいたはずだ。(C) SOCCER DIGEST

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 日本はこれまで、いくつかの親善試合で逆転勝ちを経験してきたから、スタミナ勝負では負けないと錯覚したのかもしれない。しかし、昨年のベルギー戦やオランダ戦、今大会直前のコスタリカ戦やザンビア戦はいずれも6人交代のテストマッチだ。だから、これまでは終盤の消耗を回避できたけど、本番の交代枠は3人。勝手が違うんだ。
 
 しかも、遠藤、大久保、柿谷と攻撃のカードを切っても状況が変わらないので、最終的にCBの吉田を前線に上げてロングボールを放り込んだ。あれをやるなら、メンバー選考に疑問が残るよね。闘莉王あたりが、「だったら俺を呼べよ」とでも言っていそうだし、豊田も釈然としない気持ちでいるんじゃないかな。
 
 この4年間はなんだったんだろう。ワールドカップを見据えてチーム作りを進めてきたはずなのに、メンバー選考からコンディション作りまで、まるで上手くいかなかったよ。 要するに、これが今の日本代表のレベルなんだ。相手が強いと、選手が言う「日本のサッカー」ができなくなる。点を取ってゲームをコントロールするのは、まだ世界レベルでは難しいんだよ。
 
 敗戦は恥ずかしいことではないよ。強いチームに負けるのは当たり前。大きなことを言わずに、足下をしっかり見つめて、自分たちができることをやればいいんだ。
 
 ここから生き残るためには、2連勝が必要だろうね。ただ、簡単ではないよ。次のギリシャ戦はお互いに初戦を落としたチーム同士の試合だから、熾烈な戦いになる。仮に、ギリシャ戦で3ポイントが獲れても、最終戦のコロンビアはグループCで最も力のある国だ。これまでのワールドカップの歴史では、初戦で負けたチームが決勝トーナメントに進んだ事例は1割に満たない。これを覆すのは、相当なパワーが必要だ。
 
 今回のワールドカップは、ベスト8進出が合格点だと思っている。ベスト16では現状維持だし、グループリーグを突破できなかったら、それこそ大きなダメージだからね。2006年のドイツ大会後を思い出してみてよ。ワールドカップの結果が、その後に与える影響は非常に大きいんだ。今の日本サッカーは代表人気で持っているといっても過言ではない。サッカーの火を消さないためにも、代表には挽回を期待したいね。
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