13戦未勝利でも「風間監督続投」を明言!低迷する名古屋に巻き返しの策はあるのか

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2018年05月22日

守備の練習をどれだけ明確に行えるかは中断期間の肝だ

ジョーやG・シャビエル(10番)に守備での重労働を強いるのは現実的ではない。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 バックアップ体制が定まれば、後はチームが改善を進めるだけである。ここまでの公式戦21試合を振り返れば、前述したように守備に最大の修正ポイントがあることは間違いなく、まずは失点を減らすための守備組織構築が急務。これまで具体的な守備の約束事を持たなかったチームは、選手たちが自主的に局面ごとの判断基準を生み出しつつあり、徐々にではあるが安定化へ向けて舵を切れてもいる。
 
 しかし柏戦では試合展開としては悪くなかった中で、一瞬の隙を突かれて3失点を献上。今季はいわゆる"安い失点"が多く、守備に対するメンタリティを今一度意識し直さないことには改善もままならない。ヒントとなるのはルヴァンカップのアウェーG大阪戦でサブ組が見せたハイプレス&カウンターのスタイルだが、ジョーやガブリエル・シャビエルに守備の重労働を強いるのは現実的ではなく、その意味でも守備の練習をどれだけ明確に行えるかは中断期間の肝となってくる。
 
 攻撃面ではジョーのコンディションもようやく上がり、ゴール前での迫力はやはり規格外のものを見せるようになってきた。彼の良さを生かすべくチームもフィードやクロスの割合を増やしてきており、柏戦の玉田圭司のゴールはひとつの理想形を見せた感もある。
 
 右からのクロスをジョーが落とし、G・シャビエルがラストパスを送って玉田が押し込む。長短のパスを組み合わせたチャンスメイクは、相手に守備の的を絞らせない意味でも有用だ。前半戦ではいまいち本調子でなかった青木亮太らが中断期間を使って復調すれば、攻撃のバリエーションはさらに増える。15戦で14得点しか挙げられなかった彼らの代名詞である"攻撃"の充実も、もちろん改善すべき点のひとつだ。
 
 状況は厳しい。選手に代わってとばかりにサポーターのブーイングを浴びた小西社長は「いろんな意味で危機感を失ったら終わりです。状況がどうであれ、開幕2連勝しても危機感は持っていましたし、危機感は前へ推進していく力です」と“危機感”という言葉を連呼した。それを理解したうえで現体制の維持を最善策と判断したのだから、もはや信じるほかない。名古屋のリーグ再開初戦は7月18日のアウェー浦和戦である。埼玉スタジアムに立つ11人の顔ぶれとそのプレーぶりには、要注目だ。
 
取材・文:今井雄一朗(スポーツライター)

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