初戦での驚きの黒星から世界王者に昇り詰めた「無敵艦隊」。
ブラジルと並ぶ優勝候補の一角が初戦で、しかもアフリカ勢に敗れ去った。その驚きは、開幕戦で前回王者アルゼンチンがベルギーに敗れたことより、はるかに大きかった。嘲笑を浴びせられた西ドイツは、続くチリ戦では大勝を収めるも、最終のオーストリア戦で談合まがいの試合を展開。世界から非難を浴びることとなる。
一方のアルジェリアはこの後、チリにも勝利するが、“談合試合”の犠牲となって2次リーグには進めず。しかし世界に鮮烈な印象を残したアフリカ代表は、堂々と胸を張って母国に帰っていった。この大会ではカメルーンも3引き分けと健闘したことで、アフリカ勢は「第三勢力」として脚光を浴びた。そして、この流れは以降の大会にも引き継がれていくこととなる。
さて、番狂わせという括りで見るなら、前回の南アフリカ大会でスペインがスイスに敗れるという波乱が、やはり6月16日に起こっている。
2年前に久々のメジャータイトルであるヨーロッパ選手権を制覇し、その鮮やかパスサッカーでブームを巻き起こしていたスペインだったが、52分にジェルソン・フェルナンデスのゴールでスイスに先制を許すと、これを挽回できないまま試合終了。予想外の黒星発進を余儀なくされた。
欧州王者となってもなお、「無敵艦隊」はワールドカップでは勝てないのか? とこの段階では多くの人が早期敗退を予想したものだったが、ここからスペインは試合ごとに粘りを見せ、ついに決勝で延長の末にオランダを下して初の世界制覇を成し遂げた。初戦で黒星を喫したチームが優勝したのは、これが初のケースである。
この2年後のヨーロッパ選手権で連覇を果たしたスペインは、今夏メジャータイトル4連覇を目指して臨んでいるが、初戦ではオランダに1-5で大敗。再び波乱を演出してしまった王者は、ここから浮上し、4年前のサクセスストーリーを再現できるだろうか。
――◆――◆――
6月16日には他にも、82年大会でスペインが開催国としてグループリーグ初戦に臨むも、格下のはずのホンジュラスのパスワークに翻弄されて先制を許し、後半に何とかPKで追いつくという低調な内容の試合を展開。また90年イタリア大会では、イングランド対オランダがサルデーニャ島のカリアリで行なわれ、因縁の関係にある両チームの過激なファンを大勢の警察隊が徹底的に監視するなか、スコアレスで終わった。
◆6月16日に行なわれた過去のW杯の試合
1938年フランス大会
「準決勝」
ハンガリー 5-1 スウェーデン
イタリア 2-1 ブラジル
1954年スイス大会
「グループリーグ」
ブラジル 5-0 メキシコ
ユーゴスラビア 1-0 フランス
ウルグアイ 2-0 チェコスロバキア
オーストリア 1-0 スコットランド
1962年チリ大会
「3位決定戦」
チリ 1-0 ユーゴスラビア
1982年スペイン大会
「1次リーグ」
西ドイツ 1-2 アルジェリア
イングランド 3-2 フランス
スペイン 1-1 ホンジュラス
1986年メキシコ大会
「決勝トーナメント1回戦」
ブラジル 4-0 ポーランド
アルゼンチン 1-0 ウルグアイ
1990年イタリア大会
「グループリーグ」
ブラジル 1-0 コスタリカ
スコットランド 2-1 スウェーデン
イングランド 0-0 オランダ
1998年フランス大会
「グループリーグ」
スコットランド 1-1 ノルウェー
ブラジル 3-0 モロッコ
2002年日韓大会
「決勝トーナメント1回戦」
スウェーデン 1(延長)2 セネガル
スペイン 1(3PK2)1 アイルランド
2006年ドイツ大会
「グループリーグ」
アルゼンチン 6-0 セルビア・モンテネグロ
オランダ 2-1 コートジボワール
メキシコ 0-0 アンゴラ
2010年南アフリカ大会
「グループリーグ」
南アフリカ 0-3 ウルグアイ
ホンジュラス 0-1 チリ
スペイン 0-1 スイス
一方のアルジェリアはこの後、チリにも勝利するが、“談合試合”の犠牲となって2次リーグには進めず。しかし世界に鮮烈な印象を残したアフリカ代表は、堂々と胸を張って母国に帰っていった。この大会ではカメルーンも3引き分けと健闘したことで、アフリカ勢は「第三勢力」として脚光を浴びた。そして、この流れは以降の大会にも引き継がれていくこととなる。
さて、番狂わせという括りで見るなら、前回の南アフリカ大会でスペインがスイスに敗れるという波乱が、やはり6月16日に起こっている。
2年前に久々のメジャータイトルであるヨーロッパ選手権を制覇し、その鮮やかパスサッカーでブームを巻き起こしていたスペインだったが、52分にジェルソン・フェルナンデスのゴールでスイスに先制を許すと、これを挽回できないまま試合終了。予想外の黒星発進を余儀なくされた。
欧州王者となってもなお、「無敵艦隊」はワールドカップでは勝てないのか? とこの段階では多くの人が早期敗退を予想したものだったが、ここからスペインは試合ごとに粘りを見せ、ついに決勝で延長の末にオランダを下して初の世界制覇を成し遂げた。初戦で黒星を喫したチームが優勝したのは、これが初のケースである。
この2年後のヨーロッパ選手権で連覇を果たしたスペインは、今夏メジャータイトル4連覇を目指して臨んでいるが、初戦ではオランダに1-5で大敗。再び波乱を演出してしまった王者は、ここから浮上し、4年前のサクセスストーリーを再現できるだろうか。
――◆――◆――
6月16日には他にも、82年大会でスペインが開催国としてグループリーグ初戦に臨むも、格下のはずのホンジュラスのパスワークに翻弄されて先制を許し、後半に何とかPKで追いつくという低調な内容の試合を展開。また90年イタリア大会では、イングランド対オランダがサルデーニャ島のカリアリで行なわれ、因縁の関係にある両チームの過激なファンを大勢の警察隊が徹底的に監視するなか、スコアレスで終わった。
◆6月16日に行なわれた過去のW杯の試合
1938年フランス大会
「準決勝」
ハンガリー 5-1 スウェーデン
イタリア 2-1 ブラジル
1954年スイス大会
「グループリーグ」
ブラジル 5-0 メキシコ
ユーゴスラビア 1-0 フランス
ウルグアイ 2-0 チェコスロバキア
オーストリア 1-0 スコットランド
1962年チリ大会
「3位決定戦」
チリ 1-0 ユーゴスラビア
1982年スペイン大会
「1次リーグ」
西ドイツ 1-2 アルジェリア
イングランド 3-2 フランス
スペイン 1-1 ホンジュラス
1986年メキシコ大会
「決勝トーナメント1回戦」
ブラジル 4-0 ポーランド
アルゼンチン 1-0 ウルグアイ
1990年イタリア大会
「グループリーグ」
ブラジル 1-0 コスタリカ
スコットランド 2-1 スウェーデン
イングランド 0-0 オランダ
1998年フランス大会
「グループリーグ」
スコットランド 1-1 ノルウェー
ブラジル 3-0 モロッコ
2002年日韓大会
「決勝トーナメント1回戦」
スウェーデン 1(延長)2 セネガル
スペイン 1(3PK2)1 アイルランド
2006年ドイツ大会
「グループリーグ」
アルゼンチン 6-0 セルビア・モンテネグロ
オランダ 2-1 コートジボワール
メキシコ 0-0 アンゴラ
2010年南アフリカ大会
「グループリーグ」
南アフリカ 0-3 ウルグアイ
ホンジュラス 0-1 チリ
スペイン 0-1 スイス