韓国の通信社『聯合ニュース』が報じたのは、欧州視察を終えた韓国U-23代表、キム・ハクグム監督のコメントだ。
 
「ソンはアジア大会への出場に強い意欲を示している。まずはロシア・ワールドカップで全力を尽くしてくれ、それからアジア大会で会おうと話したよ」
 
　アジア大会のサッカー競技は23歳以下の大会として開催される。日本は２年後の東京オリンピックを睨んでU-21代表を送り出す予定だが、兵役免除が懸かる韓国チームはU-23世代で編成され、３人のオーバーエイジ枠もフル活用する。キム監督はそのひとりにソンを指名し、本人の内諾を得たというわけだ。
 
　大会は８月18日から９月１日まで開催される。つまり、2018－19シーズンのプレミアリーグが開幕する８月11日から最長で丸１か月の間、ソンはトッテナムの一員としてプレーできないことになる。アジア大会はワールドカップやオリンピックのようにFIFA（国際サッカー連盟）の公式大会ではないため、クラブ側に派遣の義務はない。ほんの１か月前まで英メディアは「ソンと韓国チームが準々決勝まで進めば、トッテナムは派遣を許可するしかないだろう」と報じていたが……。

 

　米メディア『ESPN』によると、「ソンをきわめて重要な戦力と捉えているトッテナムは、将来的な契約延長を鑑み、その挑戦を最大限バックアップする」という。ソンは後顧の憂いなく思い切り、金メダル奪取に邁進できるのだ。
 
　それでもキム監督は、慎重にこう言葉を続けている。
 
「まだなにも正式には決まっていないし、非常にデリケートな話だ。でも、わたしはKFAが交渉をまとめ上げ、ソンがアジア大会に出場できると信じている。Ａ代表、U-23代表、KFA、そして所属クラブ（トッテナム）のすべてが情報を共有し、緊密に連携しなければならない」