エムバペ獲得に3億ユーロを用意か?
試合後、地元イングランドのメディアから一斉に叩かれたのは、インサイドハーフのイルカイ・ギュンドアンをスタメンで起用し、ウイングのラヒーム・スターリングをベンチに置いた采配についてだった。そうした批判の声に対しグアルディオラは、「パスを回して試合をコントロールしたかった」と反論した。
狙いは言うまでもなく、ボールを保持する時間帯を増やし、それを守備の安定にも繋げることにあったはずだ。ただ、その「攻撃は最大の防御」策の根底となる中盤のパスワークがままならず、ボールを回収しても瞬く間に自陣エリアの奥深くに戻される。その結果、ポゼッション戦術を前提として法外な値段で獲得した最終ラインの面々は、相手のカウンターを食い止めるという専門外のミッションを満足に果たすことができず、おのずと防戦を強いられる展開となったのだ。
ウォーカー、ラポルト、ヴァンサン・コンパニ、オタメンディとリバプール戦でDFラインを構成した4選手が、敵将ユルゲン・クロップ仕込みのハイプレスと、ボールを奪った勢いそのままのハイスピードな攻撃の餌食に遭い、それがグアルディラの言う「ペナルティーエリア内で守備をする」という劣勢を生んだ。そもそも自陣に引いて守ることを得意とするDFたちではないのだから、彼らに3失点のすべての責任を押し付けるのは酷だろう。
肝心の中盤が機能しなかったのが根本的な原因だが、それと同様に、怪我で欠場したセルヒオ・アグエロの不在による前線のプレゼンス不足も大きく響いた。世界屈指の金満クラブの、陣容のアンバランスさが図らずも露呈された格好だ。
狙いは言うまでもなく、ボールを保持する時間帯を増やし、それを守備の安定にも繋げることにあったはずだ。ただ、その「攻撃は最大の防御」策の根底となる中盤のパスワークがままならず、ボールを回収しても瞬く間に自陣エリアの奥深くに戻される。その結果、ポゼッション戦術を前提として法外な値段で獲得した最終ラインの面々は、相手のカウンターを食い止めるという専門外のミッションを満足に果たすことができず、おのずと防戦を強いられる展開となったのだ。
ウォーカー、ラポルト、ヴァンサン・コンパニ、オタメンディとリバプール戦でDFラインを構成した4選手が、敵将ユルゲン・クロップ仕込みのハイプレスと、ボールを奪った勢いそのままのハイスピードな攻撃の餌食に遭い、それがグアルディラの言う「ペナルティーエリア内で守備をする」という劣勢を生んだ。そもそも自陣に引いて守ることを得意とするDFたちではないのだから、彼らに3失点のすべての責任を押し付けるのは酷だろう。
肝心の中盤が機能しなかったのが根本的な原因だが、それと同様に、怪我で欠場したセルヒオ・アグエロの不在による前線のプレゼンス不足も大きく響いた。世界屈指の金満クラブの、陣容のアンバランスさが図らずも露呈された格好だ。
その前線の強化として、今夏の獲得をめざしているのがパリ・サンジェルマンのキリアン・エムバペだ。昨夏も獲得に動き、1億8000万ユーロ(約234億円)のオファーを拒絶された経緯があるだけに、現在はその倍近い3億ユーロを用意し、水面下ではすでにパリSG関係者にアプローチしている。
レロイ・ザネ、ベルナルド・シウバ、ガブリエウ・ジェズスと、2016年以降はアタッカーの強化にも1億5000万ユーロ(約195億円)という大金を投じて精力的に動いてきたが、前述したように、その総投資額は守備陣の約半分。局面打開力に長けた前線のストライカーの枚数をさらに増やさなければ、シティの守備は機能しない。それがグアルディオラが導き出した回答なのだ。
文●ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙/海外サッカー担当)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
レロイ・ザネ、ベルナルド・シウバ、ガブリエウ・ジェズスと、2016年以降はアタッカーの強化にも1億5000万ユーロ(約195億円)という大金を投じて精力的に動いてきたが、前述したように、その総投資額は守備陣の約半分。局面打開力に長けた前線のストライカーの枚数をさらに増やさなければ、シティの守備は機能しない。それがグアルディオラが導き出した回答なのだ。
文●ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙/海外サッカー担当)
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