その後の躍進のきっかけともなったアウェーでの初勝利。
成功に終わった日韓大会から4年後、自信を深めて3度目の本大会に臨んだジーコ監督率いる日本は、これ以上ない失望を味わわされてドイツを去る。そしてイビチャ・オシム→岡田武史と体制を変えて、2010年南アフリカ大会を迎えた。
大会直前にチームコンセプトを変更し、チームの中心を中村俊輔から本田圭佑に切り替えるという荒療治により、わずかに光明を見出した日本は、6月14日、ブルームフォンテーンにあるフリーステイト・スタジアムのピッチに立った。
アフリカ大陸での大会の初戦、相手はアフリカのカメルーン。アドバンテージは相手にあり、実際、世界的には名手サミュエル・エトーを擁するカメルーンのほうが有利と見る向きが強かった。
しかし日本は相手を分析したうえで、ボールを持たせながらも要所を締めるプレーでカメルーンを焦らしていく。そして39分、松井大輔の右サイドからのセンタリングを本田がしっかり足元に収め、慌てる相手守備陣をあざ笑うかのように冷静にゴールへ流し込んだ。
パワープレーに走った後半のカメルーンに対し、日本は全選手が効果的なプレーで反撃を許さず、1-0のまま試合終了の笛を聞いた。02年大会とは違い、完全アウェーでの状況で初めて挙げた勝利の意味は大きく、ここから快進撃を始めた日本はこの大会だけでなく、岡田監督からアルベルト・ザッケローニ監督に指揮権が渡ってからも、勢いを維持していくのだった。
これまでの4大会で、着実に進歩を遂げてきた日本。間もなく始まる5度目の戦いにおいては、どのような「初――」を見せてくれるのだろうか。
――◆――◆――
6月14日には他にも、イングランドが後半に勝利を確信して大黒柱のボビー・チャールトンを下げたことで西ドイツの猛攻を浴び、延長戦の末に敗れた70年イングランド大会の準決勝や、稀に見る好試合となった82年スペイン大会のブラジル対ソ連戦が行なわれている。また、90年イタリア大会ではカメルーン対ルーマニア戦で38歳のロジェ・ミラが2ゴールで脚光を浴び、98年大会では民族紛争のために国際舞台から締め出されていたユーゴスラビアが8年ぶりに本大会出場、初戦を戦った。
◆6月14日に行なわれた過去のW杯の試合
1970年メキシコ大会
「準々決勝」
西ドイツ 3(延長)2 イングランド
ブラジル 4-2 ペルー
イタリア 4-1 メキシコ
ウルグアイ 1(延長)0 ソ連
1974年西ドイツ大会
「1次リーグ」
西ドイツ 1-0 チリ
東ドイツ 2-0 オーストラリア
スコットランド 2-0 ザイール
1978年アルゼンチン大会
「2次リーグ」
オランダ 5-1 オーストリア
イタリア 0-0 西ドイツ
ブラジル 3-0 ペルー
アルゼンチン 2-0 ポーランド
1982年スペイン大会
「1次リーグ」
イタリア 0-0 ポーランド
ブラジル 2-1 ソ連
1990年イタリア大会
「グループリーグ」
イタリア 1-0 アメリカ
カメルーン 2-1 ルーマニア
ユーゴスラビア 1-0 コロンビア
1998年フランス大会
「グループリーグ」
ユーゴスラビア 1-0 イラン
アルゼンチン 1-0 日本
ジャマイカ 1-3 クロアチア
2002年日韓大会
「グループリーグ」
ポルトガル 0-1 韓国
ポーランド 3-1 アメリカ
チュニジア 0-2 日本
ベルギー 3-2 ロシア
2006年ドイツ大会
「グループリーグ」
ドイツ 1-0 ポーランド
スペイン 4-0 ウクライナ
チュニジア 2-2 サウジアラビア
2010年南アフリカ大会
「グループリーグ」
オランダ 2-0 デンマーク
日本 1-0 カメルーン
イタリア 1-1 パラグアイ
大会直前にチームコンセプトを変更し、チームの中心を中村俊輔から本田圭佑に切り替えるという荒療治により、わずかに光明を見出した日本は、6月14日、ブルームフォンテーンにあるフリーステイト・スタジアムのピッチに立った。
アフリカ大陸での大会の初戦、相手はアフリカのカメルーン。アドバンテージは相手にあり、実際、世界的には名手サミュエル・エトーを擁するカメルーンのほうが有利と見る向きが強かった。
しかし日本は相手を分析したうえで、ボールを持たせながらも要所を締めるプレーでカメルーンを焦らしていく。そして39分、松井大輔の右サイドからのセンタリングを本田がしっかり足元に収め、慌てる相手守備陣をあざ笑うかのように冷静にゴールへ流し込んだ。
パワープレーに走った後半のカメルーンに対し、日本は全選手が効果的なプレーで反撃を許さず、1-0のまま試合終了の笛を聞いた。02年大会とは違い、完全アウェーでの状況で初めて挙げた勝利の意味は大きく、ここから快進撃を始めた日本はこの大会だけでなく、岡田監督からアルベルト・ザッケローニ監督に指揮権が渡ってからも、勢いを維持していくのだった。
これまでの4大会で、着実に進歩を遂げてきた日本。間もなく始まる5度目の戦いにおいては、どのような「初――」を見せてくれるのだろうか。
――◆――◆――
6月14日には他にも、イングランドが後半に勝利を確信して大黒柱のボビー・チャールトンを下げたことで西ドイツの猛攻を浴び、延長戦の末に敗れた70年イングランド大会の準決勝や、稀に見る好試合となった82年スペイン大会のブラジル対ソ連戦が行なわれている。また、90年イタリア大会ではカメルーン対ルーマニア戦で38歳のロジェ・ミラが2ゴールで脚光を浴び、98年大会では民族紛争のために国際舞台から締め出されていたユーゴスラビアが8年ぶりに本大会出場、初戦を戦った。
◆6月14日に行なわれた過去のW杯の試合
1970年メキシコ大会
「準々決勝」
西ドイツ 3(延長)2 イングランド
ブラジル 4-2 ペルー
イタリア 4-1 メキシコ
ウルグアイ 1(延長)0 ソ連
1974年西ドイツ大会
「1次リーグ」
西ドイツ 1-0 チリ
東ドイツ 2-0 オーストラリア
スコットランド 2-0 ザイール
1978年アルゼンチン大会
「2次リーグ」
オランダ 5-1 オーストリア
イタリア 0-0 西ドイツ
ブラジル 3-0 ペルー
アルゼンチン 2-0 ポーランド
1982年スペイン大会
「1次リーグ」
イタリア 0-0 ポーランド
ブラジル 2-1 ソ連
1990年イタリア大会
「グループリーグ」
イタリア 1-0 アメリカ
カメルーン 2-1 ルーマニア
ユーゴスラビア 1-0 コロンビア
1998年フランス大会
「グループリーグ」
ユーゴスラビア 1-0 イラン
アルゼンチン 1-0 日本
ジャマイカ 1-3 クロアチア
2002年日韓大会
「グループリーグ」
ポルトガル 0-1 韓国
ポーランド 3-1 アメリカ
チュニジア 0-2 日本
ベルギー 3-2 ロシア
2006年ドイツ大会
「グループリーグ」
ドイツ 1-0 ポーランド
スペイン 4-0 ウクライナ
チュニジア 2-2 サウジアラビア
2010年南アフリカ大会
「グループリーグ」
オランダ 2-0 デンマーク
日本 1-0 カメルーン
イタリア 1-1 パラグアイ