スタジアムをめぐって生じた敵対関係
かつてレッジャーナはセリエAに昇格したのを機に、自前のスタジアムを建設。95年に完成し、「ジーリオ」という名が付けられたが、05年のクラブの倒産で自治体所有となり、「チッタ・デル・トリコローレ」に改称。スタジアムにはクラブのオフィスが置かれ、商業・娯楽施設も併設された。
しかし2013年、サッスオーロを所有する大手建材メーカー「MAPEI(マペイ)」がオークションを経て所有権を取得。名称を「マペイ・スタジアム=チッタ・デル・トリコローレ」に変更した。共同使用というかたちではあったが、レッジャーナはかつての自分のスタジアムを、金を払って借りることとなった。
サポーターの人々にとっては屈辱的なことであり、その後、スタジアム内外においてサッスオーロに対して敵対心を露にし、またその怒りは自治体にも向けられた。
そして、新たなオーナーとなったピアザ家を悩ませ、怒らせたのは、その賃貸料だ。具体的な数字は明らかになっていないが、ピアザ会長によれば、「他のクラブが払っている額の2倍」だという。
これについては彼は、現地時間3月2日に記者会見を開き、「マペイ」がサッスオーロの経営において成し遂げたことについてのリスペクトを示した上で、賃貸料への不満を吐露し、自治体の介入を要求。彼が何度も机を叩きながら怒りをぶちまける様(動画)は、母国アメリカの多くのメディアで広く紹介された。
また、元モデル&女優のアリシア夫人(副会長)も後日に声明を出し、「レッジャーナ・サポーターの熱意に感銘を受けてこのクラブとともに歩む決意をしたが、苛立ちはピークに達している」と心情を激白し、イタリアの法律への不満も述べながら、法廷闘争も視野に入れていることなどを明かした。
これに対し、「マペイ」側は「交渉には応じるつもりでいるのに、ピアザ氏は無駄に対立を煽っている」と反論している。
またピアザ会長は、“高すぎる”レンタル料を受け入れてしまった前経営陣のクラブ運営に対しても批判を展開したが、ここでは前副会長が弁護士を通して「我々がクラブの金を横領したかのような印象を世間に与えていることに対し、訴訟も考えている」と徹底抗戦の構えを見せている。
多くの“敵”を作り、苦労が絶えないイタリア系アメリカ人オーナーだが、その奮闘ぶりは、一方でレッジャーナ・サポーターの絶大な支持を得ることとなった。
ピアザ会長の怒りに呼応するように、サポーターは3月24日、2500人以上が参加しての大規模なデモ行進を敢行。街中でクラブの旗や横断幕を掲げながら発煙筒を炊いて、「マペイ」への抗議や自治体の救済要求などを訴えている。
サッカー界では無名かもしれないが、大国アメリカでは知らない者がいない存在であり、自身でも「サッスオーロが(世界的に有名な新聞である)『ニューヨーク・タイムズ』を呼ぶことは無理だろう」と、ピアザ会長は皮肉のなかにもプライドをちらつかせている。
近年はセリエAでも多くのクラブが財政難に苦しみ、セリエCでは昨年11月、1912年創設のモデナがリーグから除名され、破産宣告を受けて解散に追い込まれるなど、厳しい状況にあるカルチョの国において、ベースボールのヒーローは、何を成し遂げられるだろうか。
しかし2013年、サッスオーロを所有する大手建材メーカー「MAPEI(マペイ)」がオークションを経て所有権を取得。名称を「マペイ・スタジアム=チッタ・デル・トリコローレ」に変更した。共同使用というかたちではあったが、レッジャーナはかつての自分のスタジアムを、金を払って借りることとなった。
サポーターの人々にとっては屈辱的なことであり、その後、スタジアム内外においてサッスオーロに対して敵対心を露にし、またその怒りは自治体にも向けられた。
そして、新たなオーナーとなったピアザ家を悩ませ、怒らせたのは、その賃貸料だ。具体的な数字は明らかになっていないが、ピアザ会長によれば、「他のクラブが払っている額の2倍」だという。
これについては彼は、現地時間3月2日に記者会見を開き、「マペイ」がサッスオーロの経営において成し遂げたことについてのリスペクトを示した上で、賃貸料への不満を吐露し、自治体の介入を要求。彼が何度も机を叩きながら怒りをぶちまける様(動画)は、母国アメリカの多くのメディアで広く紹介された。
また、元モデル&女優のアリシア夫人(副会長)も後日に声明を出し、「レッジャーナ・サポーターの熱意に感銘を受けてこのクラブとともに歩む決意をしたが、苛立ちはピークに達している」と心情を激白し、イタリアの法律への不満も述べながら、法廷闘争も視野に入れていることなどを明かした。
これに対し、「マペイ」側は「交渉には応じるつもりでいるのに、ピアザ氏は無駄に対立を煽っている」と反論している。
またピアザ会長は、“高すぎる”レンタル料を受け入れてしまった前経営陣のクラブ運営に対しても批判を展開したが、ここでは前副会長が弁護士を通して「我々がクラブの金を横領したかのような印象を世間に与えていることに対し、訴訟も考えている」と徹底抗戦の構えを見せている。
多くの“敵”を作り、苦労が絶えないイタリア系アメリカ人オーナーだが、その奮闘ぶりは、一方でレッジャーナ・サポーターの絶大な支持を得ることとなった。
ピアザ会長の怒りに呼応するように、サポーターは3月24日、2500人以上が参加しての大規模なデモ行進を敢行。街中でクラブの旗や横断幕を掲げながら発煙筒を炊いて、「マペイ」への抗議や自治体の救済要求などを訴えている。
サッカー界では無名かもしれないが、大国アメリカでは知らない者がいない存在であり、自身でも「サッスオーロが(世界的に有名な新聞である)『ニューヨーク・タイムズ』を呼ぶことは無理だろう」と、ピアザ会長は皮肉のなかにもプライドをちらつかせている。
近年はセリエAでも多くのクラブが財政難に苦しみ、セリエCでは昨年11月、1912年創設のモデナがリーグから除名され、破産宣告を受けて解散に追い込まれるなど、厳しい状況にあるカルチョの国において、ベースボールのヒーローは、何を成し遂げられるだろうか。