13年間の惜別 チェルシー番記者が綴る「素顔のランパード」

カテゴリ:メガクラブ

ダン・レビーン

2014年06月05日

天国の母にゴールを捧げるそのシーンは…。

忍ばせていた喪章にキスをし、亡き母にゴールを捧げたこのシーンは、チェルシーファンにとってはもはや伝説だ。 (C) Getty Images

画像を見る

 家族を愛し、信義に厚い男、それが素顔のランパードだ。
 
 それだけに、最愛の母を亡くした08年のつらい別れは、我々の心にも突き刺さった。母親の死から6日後、リバプールとのCL準決勝のピッチに立ったランパードは、チェルシーの決勝進出を決定づけるPKを決めた。こみ上げる想いをグッと噛みしめ、天国の母にゴールを捧げるそのシーンは、チェルシーファンにとってもはや伝説だ。
 
 信義を重んじるがゆえに、チェルシーを退団することになったとも言えるだろう。ランパードは代理人のスティーブ・カトナーを家族のように大切にしている。だが、このカトナーはチェルシーの上層部とずっと折り合いが悪かった。カトナーの存在がなければ、チェルシーは契約延長にやぶさかではなかった。しかし、ランパードは代理人との信頼関係を選んだ。
 
 チェルシーでの13年間で648試合に出場し、211ゴールを決めた。獲得したタイトルは、CL優勝1回、EL優勝1回、プレミアリーグ優勝3回、FAカップ優勝4回、リーグカップ優勝2回、コミュニティーシールド優勝2回。
 
 卓越したフットボーラーである前に、人として卓越していたのがランパードだった。聡明で(IQは150だ)、品格があり、家族を愛するジェントルマン――。彼が遺したレガシーは、永遠に色褪せない。
 
文:ダン・レビーン(フルアム・クロニクル)
著者プロフィール/チェルシーのお膝元、ロンドン・フルアム地区で編集・発行されている正真正銘の地元紙『フルアム・クロニクル』のチェルシー番。親子三代に渡る熱狂的なチェルシーファンという筋金入りで、厳しさのなかにも愛ある筆致が好評だ。
【関連記事】
【番記者通信】あるファンの物語――全盲のスティーブンが見るサッカーの景色|チェルシー
イングランド代表がW杯メンバー発表 当落の明暗は33歳のコールと18歳のショー
プジョールが古巣バルサのフロント入り スビサレータFDのアシスタントに
【番記者通信】ベテラン3人衆の去就は明暗くっきり?|チェルシー
【移籍市場超速報】パリSG退団が濃厚なラベッシ 新天地はチェルシー? ガラタサライ?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ