降格が決まった時のFC東京サポーターの振る舞いについて語った平山。
FC東京の話になると、意外な言葉を口にした。
「FC東京ではカップ戦の優勝やJ2降格などを経験し、サッカーの楽しさや苦しさを経験することができて、自分の財産になっています」
Jリーグヤマザキナビスコカップ(現JリーグYBCルヴァンカップ)、天皇杯の優勝の話と共に語られたのは2010シーズンJ1リーグ16位でJ2に降格したことだった。
「プロで一番印象に残っている試合はJ2降格が決まった京都戦です。試合前ファンサポーターから声援を受け、監督をはじめ選手一人ひとりが厳しい表情で、これまでに無いプレッシャーを感じました。負けて降格が決まった後、サポーターからブーイングや『何してるんだ』と言われると思ったのですが、すごく応援してくれて『どんな時も自分たちが応援しているから頑張れ』と言われたことが忘れられません」
プロ生活の中で最も辛かったであろう試合で、FC東京サポーターから送られた熱く、温かい言葉の数々を忘れてはいなかった。タイトルを獲った試合ではなく、降格が決定した試合のサポーターの振る舞いを真っ先に語ったことは、平山の温厚さ、優しさを象徴するかのようだった。
今後については「サッカーしかしてきていないので、まず勉強したいなと思っています。その理由は自分がサッカーで経験できたこと、できなかったことを若い人たちに伝えて、もっとJリーグや日本のサッカーが強くなっていく助けになれたらと思います」。
具体的には指導者を志すという。
「もう一度大学へ行って教員免許を取りたいと思いますし、サッカー指導者になりたいという目標があります。こうやって話すのがすごく下手なので、相手に伝える力、納得させる力を身につけたいと思います。経営学だったり幅広い知識を持った上で指導者になりたいです」
筑波大を中退してオランダへ渡ったこともあり、まずは大学でサッカーの指導技術以外にも幅広い知識を得たいという。目標はやはり「高校で出会った小嶺先生をすごく尊敬していますので、サッカーが上手ければ良いということではなく、人として礼儀や挨拶、謙虚な姿勢も教えられる指導者になりたいと思います」と語った通り、現在長崎総合科学大附属高を指揮する恩師・小嶺忠敏監督だ。
「これまで応援していただいてありがとうございました。期待になかなか応えられなかったと思いますが、少しは声援に応えられたと思います。これから勉強してまたサッカー界に戻ってきたら応援よろしくお願いします」と、最後に応援してきたファン・サポーターへ感謝の言葉を述べた平山。穏やかな語り口の中にも強い信念を感じさせる引退会見だった。新たな夢が実現し、サッカー界で指導者として再びスポットライトを浴びる日が来るのが楽しみだ。
取材・文●小林健志(フリーライター)
「FC東京ではカップ戦の優勝やJ2降格などを経験し、サッカーの楽しさや苦しさを経験することができて、自分の財産になっています」
Jリーグヤマザキナビスコカップ(現JリーグYBCルヴァンカップ)、天皇杯の優勝の話と共に語られたのは2010シーズンJ1リーグ16位でJ2に降格したことだった。
「プロで一番印象に残っている試合はJ2降格が決まった京都戦です。試合前ファンサポーターから声援を受け、監督をはじめ選手一人ひとりが厳しい表情で、これまでに無いプレッシャーを感じました。負けて降格が決まった後、サポーターからブーイングや『何してるんだ』と言われると思ったのですが、すごく応援してくれて『どんな時も自分たちが応援しているから頑張れ』と言われたことが忘れられません」
プロ生活の中で最も辛かったであろう試合で、FC東京サポーターから送られた熱く、温かい言葉の数々を忘れてはいなかった。タイトルを獲った試合ではなく、降格が決定した試合のサポーターの振る舞いを真っ先に語ったことは、平山の温厚さ、優しさを象徴するかのようだった。
今後については「サッカーしかしてきていないので、まず勉強したいなと思っています。その理由は自分がサッカーで経験できたこと、できなかったことを若い人たちに伝えて、もっとJリーグや日本のサッカーが強くなっていく助けになれたらと思います」。
具体的には指導者を志すという。
「もう一度大学へ行って教員免許を取りたいと思いますし、サッカー指導者になりたいという目標があります。こうやって話すのがすごく下手なので、相手に伝える力、納得させる力を身につけたいと思います。経営学だったり幅広い知識を持った上で指導者になりたいです」
筑波大を中退してオランダへ渡ったこともあり、まずは大学でサッカーの指導技術以外にも幅広い知識を得たいという。目標はやはり「高校で出会った小嶺先生をすごく尊敬していますので、サッカーが上手ければ良いということではなく、人として礼儀や挨拶、謙虚な姿勢も教えられる指導者になりたいと思います」と語った通り、現在長崎総合科学大附属高を指揮する恩師・小嶺忠敏監督だ。
「これまで応援していただいてありがとうございました。期待になかなか応えられなかったと思いますが、少しは声援に応えられたと思います。これから勉強してまたサッカー界に戻ってきたら応援よろしくお願いします」と、最後に応援してきたファン・サポーターへ感謝の言葉を述べた平山。穏やかな語り口の中にも強い信念を感じさせる引退会見だった。新たな夢が実現し、サッカー界で指導者として再びスポットライトを浴びる日が来るのが楽しみだ。
取材・文●小林健志(フリーライター)