【現地発】英国を騒がせたポグバとモウリーニョの確執報道はなぜ起きたのか?

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2018年02月22日

モウリーニョの言動は全て愛の裏返しだ。

モウリーニョはチェルシー時代にも、J・コール(左)に対しては手厳しく指導し、一人前のスタープレーヤーに育て上げた。 (C) Getty Images

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 いずれにしても、ポグバに低調なパフォーマンスが続いているのは、監督の起用法に不満を抱くメンタルの部分が大きいようにも感じられる。太腿を痛めた9月からは、約2か月に渡って離脱を余儀なくされ、フラストレーションを溜め込んでもいた。
 
 怪我からの復帰間もない昨年12月には3試合の出場停止処分を受けたが、その時の原因もモウリーニョからの指示に納得できず、その苛立ちをぶつけた無謀なタックルの結果だった。
 
 その他にも、フリーの味方を無視して強引なシュートを持ち込むなど、攻守両面で悪目立ちしたポグバを、クラブOBのポール・スコールズも「軽く流しているようにしか見えない」と酷評。決定的な仕事をしきれない攻撃面にしても、中央の持ち場を疎かにしてしまう守備面にしても、やはり、本人の意識が一番の問題だと言える。
 
 ちなみに内部軋轢の当時者となったモウリーニョは、「スコールズは批判しかしない」と語り、ポグバをかばっている。この発言からも分かる通り、ベンチ前での小言にしても、試合途中での交代にしても、ポルトガル人指揮官の言動は全て愛の裏返しだ。
 
 思い出されるのは、チェルシーで第一次政権を築いた際の、現在のポグバと同様に20代半ばだった元イングランド代表MFジョー・コールとの関係である。
 
 試合中、守備を怠った技巧派MFを「あり得ない!」と一喝したこともあったが、一方で、就任当初から頻繁に声を掛け、気遣った選手もJ・コールだったのだ。

 そんなJ・コールが、前線からのチェイシングも怠らない姿勢を見せ、3トップの一角で定位置を手にしたように、ポグバもピッチ上で必死かつ前向きに己を表現しなければならない。
 
 それこそが、頑固なモウリーニョに、自身が最も得意とする3センターでの起用頻度を上げさせる最も効果的な方法でもあり、メディアの喧騒を黙らせる何よりの策である。
 
文●山中忍
 
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
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