オーバメヤンの活躍がクラブ再興の光明に。
アーセナルの弱点は、いまだ改善されない守備にある。この日も4点差をつけていた64分に、単純なクロスから一矢を報いられていた。ところが、実質的な守備面の補強は、今冬に行なわれることはなかった。
一方、チームの屋台骨であるはずの攻撃は、26節終了時点でプレミアリーグでの得点数はリーグ3位ではあるものの、消極的姿勢が指摘されてきたジョゼ・モウリーニョのマンチェスター・ユナイテッドと並ぶ「51」。失点数は、マンチェスター・Uの2倍近い「35」のアーセナルが、6位からトップ4へ浮上するためには、新たな得点源によるゴールが不可欠なのは言わずもがな、である。
もし、オーバメヤンの調子に陰りが見えれば、その途端、今シーズン開幕前にクラブ最高額で獲得しながら目に見える結果を残せていないアレクサンドル・ラカゼットの二の舞という、不安と批判の声が上がる事態も想像に難くない。
デビュー戦でのパフォーマンスを見る限り、オーバメヤンは敵の守備網を間延びさせる動きにしても、ゴール前での絶対的な自信にしても、現状ではラカゼットをベンチに留めて1トップを張る資格と実力の持ち主と見える。
加えて、実績のあるムヒタリアンとのコンビはもちろん、2月1日に3年半の契約延長を締結し、今一度クラブの核を担うはずのエジルとの間で確認された連携の良さは、今後への吉兆とも理解できる。
ヴェンゲルのアーセナルが「The Invincibles(無敵のチーム)」と称された時代を想起させる“ビンテージ風”の見事な勝利を披露した一戦で、28歳の新ストライカーの活躍は、チームの未来に一筋の希望の光を灯し、ファンを安堵させたに違いない。
文●山中忍
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
一方、チームの屋台骨であるはずの攻撃は、26節終了時点でプレミアリーグでの得点数はリーグ3位ではあるものの、消極的姿勢が指摘されてきたジョゼ・モウリーニョのマンチェスター・ユナイテッドと並ぶ「51」。失点数は、マンチェスター・Uの2倍近い「35」のアーセナルが、6位からトップ4へ浮上するためには、新たな得点源によるゴールが不可欠なのは言わずもがな、である。
もし、オーバメヤンの調子に陰りが見えれば、その途端、今シーズン開幕前にクラブ最高額で獲得しながら目に見える結果を残せていないアレクサンドル・ラカゼットの二の舞という、不安と批判の声が上がる事態も想像に難くない。
デビュー戦でのパフォーマンスを見る限り、オーバメヤンは敵の守備網を間延びさせる動きにしても、ゴール前での絶対的な自信にしても、現状ではラカゼットをベンチに留めて1トップを張る資格と実力の持ち主と見える。
加えて、実績のあるムヒタリアンとのコンビはもちろん、2月1日に3年半の契約延長を締結し、今一度クラブの核を担うはずのエジルとの間で確認された連携の良さは、今後への吉兆とも理解できる。
ヴェンゲルのアーセナルが「The Invincibles(無敵のチーム)」と称された時代を想起させる“ビンテージ風”の見事な勝利を披露した一戦で、28歳の新ストライカーの活躍は、チームの未来に一筋の希望の光を灯し、ファンを安堵させたに違いない。
文●山中忍
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。