戦力均衡が進む高校女子サッカー 無失点Vの藤枝順心が強さを維持できるのは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

大森琢磨

2018年01月08日

大会の総得点数は昨年の149から84へ大幅減。戦力は均衡してきている。

FW今田が1アシストをマーク。今大会は接戦の試合で結果を残してきた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 先制点をお膳立てした今田は「FWは点を取るのが仕事だからやらなきゃいけないというのはあったんですけど、チームが勝つことが一番なので、自分が点を取ることより確実にいきました」とゴールシーンを振り返る。相手のプレッシャーが厳しいなかでもボールを収めたり、サイドチェンジのパスを出すなど、この日は自らゴールネットを揺らすことはなかったが、攻撃のキープレーヤーとして存在感を放っていた。
 
 今田は左FWでスタートしたが、前半途中に右サイドへポジションを移している。このアドバイスをしたのが渡辺コーチだった。
「一番、尊敬しているコーチです。サッカーのことをよく知っていて、それを自分たちに伝えてくれる。ヒロさん(渡辺コーチ)を日本一にしたいとずっと思っていて、本当に日本一のコーチだから証明したいという気持ちがありました。本当に凄い人なんです」と今田は熱い口調で話してくれた。
 
 今大会の全31試合の総得点数は、昨年の149から84へ大幅に減った。1回戦16試合のうち、1点差以内で決着したゲームが10試合もある(前回大会は3試合)。全国各地で女子サッカーを強化する高校が増え、戦力が均衡してきている。それが顕著に現われたのが今大会だった。
 
 そうしたなかで安定して上位の成績を残し、相手を圧倒する力を見せつけて優勝するのは並大抵のことではない。選手に知識を授け、刺激を与えるスタッフの充実もまた無失点優勝の要因であることは違いない。
 
取材・文●大森琢磨(フリーライター)
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