「W杯出場」選手はどれだけ儲かる?――W杯とお金の話 vol.3

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年05月15日

引退後は肩書きによって仕事が決まるケースはあるが…

ワールドカップ出場の付加価値はそれほどないと業界関係者は言うが、優勝ともなれば話は変わってくるだろう。 (C) SOCCER DIGEST

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「出ただけ」ではワールドカップ出場による付加価値はほとんど得られないようだが、それはあくまでも現役選手に限ったことで、引退している「元ワールドカップ戦士」にとっては、十分に価値がありそうだ。
 
 かつてマネージメント事務所に勤務経験のある元マネジャーは「露出する媒体にもよりますが、ワールドカップに出ているか出ていないはやっぱり違いますね」と明かす。あるメディアに営業を持ちかけるにしても、ワールドカップ出場経験はひとつのフックとなり、元選手としてもそれなりの知名度があるだけに、制作サイドからしても演者をイメージしやすく、キャスティングの候補リストに名前が上がりやすいと言われている。
 
「イベントにしても、集客を考えれば知名度は大事ですからね」(元マネジャー)
 
 ただし、ギャランティに関しては、ワールドカップ出場の有無はそこまで関係してこないという。現役時代の活躍はもちろん、引退後の実績も加味されて決まるのが一般的とされており、「ワールドカップ出場経験あり」がギャラ交渉で必ずしも有利に働くとは限らないようだ。
 
 いずれにせよ、選手時代にワールドカップに出ていれば、引退後も〝箔がつく″のは間違いない。それはメディアの世界のみならず、指導者の道に進んだとしても、選手として貴重な経験を積んでいるだけに、その肩書きが求められて仕事が決まるケースはある。
 
 とはいえ、その肩書きだけで食べていけるほど、セカンドキャリアの世界は甘くない。元マネジャーも次のように語っている。
 
「仕事を得るための〝とっかかり″としては、事実、ワールドカップ出場経験の強みはあります。でもそれも最初だけで、その後は本人の努力なり、勉強する姿勢が絶対的に必要です。最後はやっぱり、人柄ですよ」
 
 選手時代の栄光にあやかったままでは、いずれ仕事も厳しくなるということ。「ワールドカップ出場」を目指していた頃と同じ情熱で引退後も仕事に打ち込めれば、選手時代には及ばないとしても、やはりそれなりの報酬を得ることはできるのだ。
 
取材・文:広島由寛(週刊サッカーダイジェスト編集部)
(『週刊サッカーダイジェスト』2014年5月13日号「サッカーとお金の話」企画より抜粋)
 
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