【プリンス関東参入戦】潜在能力は一級品!無名の逸材がG大阪入りを掴むまで

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

2017年12月24日

解き放たれた才能は一気に開花し、名門クラブからオファーが来るほどに。

有馬監督の指導が実り、3年時に山口の才能は一気に開花した。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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 その傾向は私生活でも顔をのぞかせる。何でもないようなことで仲間とぶつかり、授業態度も決して良好とは言えなかった。ピッチ内外での課題――。それが自由奔放なプレーにつながり、ポテンシャルを満足に発揮出来ない要因となった。
 
 そして、迎えた最終学年。精神的な未熟さが目立っていた山口に転機が訪れる。学級担任に有馬監督が付いたのだ。

「プロに行きたいのなら授業もしっかりと聞いて、『こんな生徒がプロに行くの?』って言われないようにしなさいと伝えました」

 指揮官は山口のメンタルを変えようと、生活面から根気強く指導。すると、次第に熱意が伝わり、下級生の頃に見せていた“やんちゃさ”は影を潜めた。プレー面でも見違えるほどのパフォーマンスを見せるように。気が付けば、山口はチームの主軸として欠かせない存在になっていた。
 
 すると、インターハイ予選で圧巻のパフォーマンスを披露する。同校史上初の全国大会出場に大きく貢献し、その活躍を聞きつけたG大阪が県リーグを視察に訪れるまでのプレーヤーに昇華した。

「インターハイ後の県リーグ1試合を見ただけで、練習に来てくださいと言ってもらえたんです。来週も県リーグがあるという話をしたら、また来てくれた」(有馬監督)

 こうして、山口は名門クラブからオファーを受け、来季から新たなスタートを切ることが決まったのだ。
 
 しかし、山口にはまだやり残したことがある。チームをプリンスリーグ関東昇格に導く任務だ。12月23日のプリンスリーグ関東参入戦1回戦・流経大柏B戦では、貴重な同点弾をアシストして勝利に貢献した。「選手権に行けなくて、自分も不甲斐ないプレーをしてしまったという想いがあるので、後輩に残せるものは残して終わりたいと思っています」とは山口の言葉。自身を育てくれたチームに恩返しをするべく、25日の桐生一戦でも結果を残す。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
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