【戦術解析】またも露呈したハリルジャパンの弱み…守備がハマらなかった時の解決策は?

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2017年12月18日

後手、後手に回るうちに、何をやってもダメな雰囲気が日本を支配した。

日本は土居(13番)と伊東の両ウイングが押し込まれてカウンターを出せなかった。(C)SOCCER DIGEST

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 ただ、プレスがはまるかな……と思った瞬間、韓国は割り切って9番の長身FWキム・シンウクにロングボールを蹴ってくるので、日本としてはやりづらかった面もある。韓国はAがダメならBと、戦い方が整理されている。後手、後手に回るうちに、何をやってもダメな雰囲気が日本を支配してしまった。
 
 ハリルジャパンは迷った時に立ち返る方向性がない。このチームが基盤とする守備。その守備がハマらない時、マークを捨てながら前に出てハメるのか、引いてハメるのか。その答がハッキリ出ない。1-3で惨敗したブラジル戦も同じだった。前から行くのか、引いて構えるのか、2列目がその決断をできず、相手のボールの出処をフリーにしてしまう。欧州遠征で経験した課題を、もう一度、今度は国内組のメンバーが、日韓戦で経験することになった。
 
 本来なら、自分たちの特徴、試合の状況を考えれば、それは明確に方向付けられるはず。まず、日本代表には前線で時間を作り、押し上げを待てるようなターゲットマンはいない。サイドも相手に人数をかけて押し込まれており、低い位置でボールを奪っても、攻撃にならない。高い確率で奪い返されてしまう。

 さらに韓国の9番FWキム・シンウクには空中戦で歯が立たないので、この選手をゴールから遠ざけることが必須。一も二もなく、ラインを下げて耐える選択肢は、日本にはあり得ない。本来はハイプレス一択。行ける時は、必ず行って、相手を押し返したほうがいい。
 
 ベルギー戦では相手FWロメル・ルカクをゴールから遠ざけるために、高いラインを保つことが意識されたが、E-1選手権で同じことはできなかった。この守備のはまらなさ、ひたすら引き下がる守備は、ブラジルワールドカップのコートジボワール戦を思い出す苦々しさだった。相手が韓国でなくても、サイドに人数をかけて押し込まれると、ずるずるとサンドバック状態になる。そこから攻撃に切り替えようとしても、遠い。さらに日本はハイプレスをかけられると弱い。これらの弱みが全部出た。
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