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【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|最終戦は「積み上げ」への想いが割り切りを上回った結果…

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年12月15日

本気で神戸を得失点差で上回ろうと考えていた。

今季のチームの成長、そして我々のチャレンジを誇りに感じている。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 完全に相手のリズム、ペースになってしまったのは反省すべきポイントだ。ハーフタイムには実際に戦っている選手たちの肌感覚を知る必要があると思い、最初は彼らのやり取りを聞いていた。すると「まず前でいいよ」と前線の選手たちが言っていので、「やはり」と。
 
 だからこそ、ナオ(石原直樹)を最初に見て、そこにボールを当てるように指示を出した。もし競り勝てなくとも、前向きにセカンドボールを拾う態勢を作る。「こんな状況だから前にシンプルに」という話をして、意思統一もできていた。
 
 さらに戦い方を分かりやすくするためにクリス(クリスラン)を早めに投入して、前線の選手たちを走らせようと手を打った。後半は展開がオープンになり、最終的に1点を奪われて負けたのだが、同じようにベガルタもチャンスを作れており、失点直前の決定機を決めていれば、「割り切って勝てた」というゲームにできたはずだ。
 
 選手たちが「必ず勝って終わるんだ!」という意気込みで戦ってくれたのは素晴らしい。だからこそ最後の試合で「まったくいいところがないのに勝点3を取れた」という締め括りにしたかった。それができていれば、ベガルタの違った強さを世に知らしめることにもなったはずだ。
 
 あとひとつ、実は神戸の状況やスコアも耳に入れていた。本気で神戸を得失点差で上回って、ひと桁順位に上がってやろうと考えていたからだ。もし神戸が1点差で負けているのならば、うちは4ゴールを奪いに行くんだと思っていた。
 
 実際に後半の途中で「神戸が2点差をつけられて負けている」と聞き、ならば3点差をつけて勝ちにいくぞと。多少の無理をしてでも得点を奪って勝とうと思っていたので、今季の後半戦ではなかなか見られないバランスの悪さになってしまった。
 
 しかし、それは思い切り仕掛けたためであり、そこに大きな後悔はない。ただ勝利するだけではなく、より上位を目指した結果なのだから。
 
 今季のチームの成長、そして我々のチャレンジに私は誇りを持っている。だからこそ、この先もこの歩みを止めることなく挑戦し続けたい。
 
構成●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラム最終回は年内にお届けする予定です。お楽しみに!
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