【現地発】降格臭を吹き消したルーニーがアンフィールドで誇示した“エバートン魂”

カテゴリ:ワールド

山中忍

2017年12月11日

ルーニーのダービー初ゴールが、漂う降格臭を吹き飛ばす。

ど真ん中に豪快に蹴り込まれたルーニーのPK。相手GKの動きを見た巧みなゴールでもあった。 (C) REUTERS/AFLO

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 前節から指揮を執るサム・アラダイス新監督から、降格臭さえ漂い始めていたエバートンを蘇生させるためのキーマンとして、絶大な期待を寄せられている責任感もあったのだろう。降格圏付近の16位から10位に浮上したばかりのチームにとっては、その臭いを絶つという意味でも、重要な得点であった。
 
 だが、それ以上にエバトニアンの心を揺さぶったのは、9歳で下部組織に加入して以来、「エバートン魂」を植え付けられてきたルーニーにとって、これがマージーサイド・ダービーでの初ゴールという事実だろう。
 
 今年7月にマンチェスター・ユナイテッドからの14年ぶりの古巣復帰が決まった際に、待ち遠しいカードを訊かれて「リバプール戦」と即答していた32歳は、チームを救った試合後に、「思った通りGKが飛んでくれたし、ボールも上手く捉えられた」と、控え目に微笑んだ。
 
 だが、当日のリバプール市内の「青コーナー」では、ダービーで引き分けた後の一夜でも、チームカラーのパジャマ姿で、にこやかに寝床につくエバトニアンはさぞ多かったことだろう。それはきっと、エバートン魂を受け継いでいるであろうルーニーの3人の息子たちも同じはずだ――。
 
文●山中忍
 
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
 
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