「ドイツがメキシコとスウェーデンに連勝すれば…」
韓国がグループ最下位に終わると考えているのは、一般紙『中央日報』スポーツ部のサッカー班チーム長のソン・ジフン班長も同様だ。
「ドイツは優勝候補の筆頭。メキシコは6大会連続で16強以上の成績を挙げている。“守備サッカーの教科書”イタリアにも勝る強固な守備力を誇るスウェーデンも強敵です。予想は、スウェーデンに引き分け、メキシコとドイツに連敗。韓国は、勝点“3”どころか、“1”を得ることも難しいでしょう」
これほどに韓国代表が信用されていないのは、成績の不振だけが理由ではないだろう。今年6月に“火消し役”として急きょ新指揮官の座に就いたシン・テヨン監督の采配にも、その一因はあるはずだ。というのも、これまでも大胆な戦術や采配が裏目に出てきたのがシン・テヨン監督でもあるからだ。
11月のAマッチでは、ウィングでプレーすることの多かったソン・フンミンをFWに起用したことが奏功し、元スペイン代表コーチを招聘するなど変化は生まれているが、それでもまだ、シン・テヨン監督体制のチームはW杯では通用しないと考えられているようだ。
前出のリュ・チョン記者も言う。
「韓国は、南米よりも欧州のチームとの対戦を得意としますが、ドイツは手に負えませんし、スウェーデンは守備が固い。簡単には崩せないでしょう。また、メキシコは、韓国がもっとも苦手とする、ボール占有率と技術を兼ね備えたチームです。W杯予選で苦戦が続いたとはいえ、容易く攻略できる相手ではありません」
それでも韓国がロシアW杯で存在感を示すことができるのは、ドイツとのグループリーグ最終戦にあるらしい。前出の『Four Four Two』ホン・ジェミン編集長は語る。
「ドイツがメキシコとスウェーデンに連勝すれば、韓国戦にはベストメンバーを用意しないでしょう。そのため、韓国はドイツ戦に決死の覚悟で臨むべきです。引き分けに持ち込めれば、十分な成果ではないでしょうか」
16強入りを目標に掲げる韓国。“死の組”に入ったことで、国内にはすっかり諦めムードが漂っているが、ワールドカップ本番までに希望を取り戻せるだろうか。
取材・文●慎 武宏(スポーツライター)
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。
「ドイツは優勝候補の筆頭。メキシコは6大会連続で16強以上の成績を挙げている。“守備サッカーの教科書”イタリアにも勝る強固な守備力を誇るスウェーデンも強敵です。予想は、スウェーデンに引き分け、メキシコとドイツに連敗。韓国は、勝点“3”どころか、“1”を得ることも難しいでしょう」
これほどに韓国代表が信用されていないのは、成績の不振だけが理由ではないだろう。今年6月に“火消し役”として急きょ新指揮官の座に就いたシン・テヨン監督の采配にも、その一因はあるはずだ。というのも、これまでも大胆な戦術や采配が裏目に出てきたのがシン・テヨン監督でもあるからだ。
11月のAマッチでは、ウィングでプレーすることの多かったソン・フンミンをFWに起用したことが奏功し、元スペイン代表コーチを招聘するなど変化は生まれているが、それでもまだ、シン・テヨン監督体制のチームはW杯では通用しないと考えられているようだ。
前出のリュ・チョン記者も言う。
「韓国は、南米よりも欧州のチームとの対戦を得意としますが、ドイツは手に負えませんし、スウェーデンは守備が固い。簡単には崩せないでしょう。また、メキシコは、韓国がもっとも苦手とする、ボール占有率と技術を兼ね備えたチームです。W杯予選で苦戦が続いたとはいえ、容易く攻略できる相手ではありません」
それでも韓国がロシアW杯で存在感を示すことができるのは、ドイツとのグループリーグ最終戦にあるらしい。前出の『Four Four Two』ホン・ジェミン編集長は語る。
「ドイツがメキシコとスウェーデンに連勝すれば、韓国戦にはベストメンバーを用意しないでしょう。そのため、韓国はドイツ戦に決死の覚悟で臨むべきです。引き分けに持ち込めれば、十分な成果ではないでしょうか」
16強入りを目標に掲げる韓国。“死の組”に入ったことで、国内にはすっかり諦めムードが漂っているが、ワールドカップ本番までに希望を取り戻せるだろうか。
取材・文●慎 武宏(スポーツライター)
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。