「中村俊輔をマンマークせよ!」高1の本山雅志はこの難局をどう乗り切ったのか

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年11月17日

ずっとキツかったんだけど、すんげー楽しかった

高1で臨んだ初めての選手権。本山がそのデビュー戦でいきなり対峙したのが、のちに日本代表の10番を担うレフティーだった。(C)SOCCER DIGEST

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 しかし、スカウティングによって準備してきた作戦は、ファンタジスタにはまるで通じなかった。
 
「左を切って右に追い込んでいけばいい、右足でほとんどプレーしないというのが事前のスカウティングだったけど、とんでもない話で。さっと僕が左を切るじゃないですか。前にも味方がいるから大丈夫だろうって安心してたら、あっさり逆を取られて、『あー! それだけはやめてー!』って(笑)。サイドに流れても簡単に切り返して右足でセンタリングとか上げてたし、ぜんぜんスカウティングと違うんですけど!って」
 
 翻弄された。まだ本山は世代別の日本代表に選ばれておらず、いわゆる黄金世代の面々とは対面していない。16歳の北九州っ子が初めて遭遇し、身近で体感したスーパータレントが、水色のユニホームに身を包んだ中村俊輔だったのだ。
 
「ずっとキツかったんだけど、すんげー楽しかったんですよ。巧いですから、シュンさんは。それを目の前で見れて本当に面白かった。正直抑えたのかと訊かれれば……かなり怪しい(笑)」
 
 試合は、2-1で東福岡が勝利した。怪物ルーキーは小島宏美、山下芳輝、生津将司らキラ星のごときアタッカー陣を後方から巧みに操り、ベスト4進出に貢献。本山雅志は一躍、全国にその名を轟かせた。
 
 観衆の度肝を抜く、魅惑のアタッキングサッカー。筆者が東福岡を“赤い彗星”と呼ぶようになったのは、ちょうどこの頃からだ。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

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