【W杯ドキュメント】メンバー発表のドラマ|カズと北澤の緊急帰国に揺れた98年

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年05月07日

メンバー発表当日の朝に「最後はひとりで決めた」(岡田監督)

結局、日本の初ワールドカップは3戦全敗に終わり、岡田監督のメンバー選考も長く議論の対象となった。 (C) Getty Images

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 外した3人について岡田監督は明快な理由を述べている。
 
 まず市川については、「ワールドカップまでに飛躍的に伸びると期待したが、ひとつのカベにぶつかった。徐々に立ち直ってきたが、目前に迫ったワールドカップで力を発揮できるかというと、どうかと思う」。非常にシンプルでクセのないプレーをするが、現状ではこれといって特徴がない――今の市川にはこんな評価が下されている。プレーの選択の速さや、これと決めたときのダイナミックさはあるが、相手を翻弄する、あるいは観戦者を驚かせるプレーがない。すべてが平均的であり、よりレベルの高い相手が敵になったときに、総合力で不安が残るのも確かだ。
 
 北澤については、「今回の3バックのなかで、彼のポジションを見つけられなかった」。4‐4‐2システムなら、山口素弘、名波浩、中田英寿の他にMFをもうひとり起用できるので、北澤も選択肢に入った。しかし今回は3‐5‐2で戦うことが決定的で、攻撃的MFはひとりになる。このポジションは、攻撃時に2トップをサポートする大きな役目を担うことになるが、ディフェンス面で力を発揮する選手では得点の可能性はグンと下がることになる。
 
 最後にカズについては、「トップは城(彰二)が柱だと考えている。アルゼンチン、クロアチア、ジャマイカ相手に、先発にしても途中出場にしても、(カズを)どう使おうかを考えると、今回は起用する機会がない」。実際にカズのプレーを判断すると、全盛期のスピードはなく、身体のキレもない。6月1日の練習試合ではハットトリックを決めたが、相手選手の動きはスローだったし、呂比須ワグナーや平野孝のアシストによるところが大きい。
 
 他の4人のFWと比べても、強烈な特長を持っているわけではない。スピードなら岡野雅行。ポストプレーや空中戦なら城と呂比須。幅広い動きとゴールへの執念なら中山雅史。これらに対し、トラップの正確さやボールを持ってからのゴールへの明確なビジョンならカズだが、ワールドカップではゆっくりボールをキープする時間は与えられそうになく、やはり起用機会に苦慮する――。

 結果はどうなるか分からない。しかし、「事前に関係者と会議などはあったが、最終的に決定したのは今朝(現地時間6月2日)の11時ぐらい。最後はひとりで決めた」と言う岡田監督の決断に迷いはない。
 
※週刊サッカーダイジェスト1998年6月24日発売号より抜粋&整理

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