日本よ、この選手の警戒を怠るな! ベルギー戦で注意すべきアタッカーと解決策

カテゴリ:ワールド

内藤秀明

2017年11月14日

ルカクとアザールを止めるために必要なこととは?

プレミアリーグでベルギー代表選手と対戦機会が多い吉田は、日本の守備のキーマンとなるはずだ。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 今の“赤い悪魔”で、10番を背負い、その双肩にチームの運命を担っているのが、チェルシーに所属するエデン・アザールだ。
 
 彼の最大の魅力は、ずばりドリブル突破である。左サイドを主戦場とする26歳のウインガーは、一瞬の加速で相手を引き剥がし、決定的な仕事をする。しかも、厄介なのは俊敏性だけなく、パワフルさも兼ね備えるところだ。身長173cmと小柄ながら、お尻まわりの筋肉は発達しており、見た目以上に力強い。
 
 ゆえに、フィジカル自慢が集まるプレミアリーグでも、のびのびとプレーができている。相手DFの激しいチャージを受けようとも、難なくボールをキープして起点になれるのだ。
 
 また、相手DFが距離を詰めて潰しにかかろうとしても、その相手の勢いを逆手にとって背後を衝く。アザールは、守備者にとっては手強すぎる存在だ。
 
 彼に対して講じるべきは、マンマーク気味に張り付くことだ。プレミアリーグ11節でマンチェスター・ユナイテッドのエリック・バイリーがこの策を採り、アザールに自由を与えなかった。
 
 しかしマンマークの場合、マーカーにアザールを止められるだけのエネルギーと、彼をを追うことで生まれるスペースを誰かがカバーすることが必要となるため、まさにチーム全体で彼を止めるという意識を持つことが求められる。
 
 そんなアザールと抜群の相性を見せるのが、ロメル・ルカクだ。「ディディエ・ドログバ2世」と呼ばれるストライカーのストロングポイントは、その二つ名にも由来するワールドクラスの身体能力だ。
 
 屈強なDFとも互角以上に渡り合えるだけのパワーがあり、空中戦に強く、DFラインの背後に抜け出すと誰も追いつけない抜群の加速力を兼ねたスピードがあるのも、彼の大きな特徴だ。
 
 そのフィジカルを最大限に活かすための「止める・蹴る」の基本技術や、状況判断能力は年々成長を続け、今シーズンより加入したマンチェスター・ユナイテッドでは、プレミアリーグで11試合・7得点と、託された背番号9に恥じない数字を記録している。
 
 身体能力が総じて高いルカクだが、そのなかでも相手にとって脅威となるのが、空中戦での強さだ。
 
 体幹が強く、滞空中でも普通の選手よりも身体を自由に動かせるルカクは、コースから逸れたクロスに対しても、バックステップを踏み、後ろに跳びながら身体を捻ってシュートに持ち込むことができる。
 
 その結果、他のFWならば当てるだけで精いっぱいの凡庸なクロスでも、ゴールに結びつけることができる。しかも、前述の通り、ルカクは計り知れないパワーも秘めているため、DFに身体をぶつけられても全く動じない。
 
 最前線で対峙するであろう吉田麻也や槙野智章、昌子源らに求められるのは、彼を楽々と空中戦に持ち込ませないことだ。デ・ブルイネやアザールから供給される質の高いクロスが上がる前に、いかに自由な体勢を取らせないかが、勝負の鍵になる。
 
文:内藤秀明 text by Hideaki Naito
 
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