名古屋がプレーオフを勝ち抜くには? 今季ワーストゲームから得た教訓

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2017年11月13日

“器”を変える必要はなく、その中身を質の高いものにすれば良い。

【警告】名古屋=なし 千葉=キム・ボムヨン(33分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】ラリベイ(千葉)

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 徳島や千葉とはプレーオフで対戦する可能性が大いにあり、これは何とも悩ましいところ。ここから約2週間でしっかりとメンタルと戦術の準備をしていく必要があることは言わずもがなである。
 
 対策ははっきりとしてもいる。ここから選手のフィジカル能力が劇的に上がるわけはなく、違う戦い方を模索するのはそれこそ愚策の極みだ。“器”を変える必要はなく、その中身を質の高いものにすれば良い。激しいプレッシングに負けじと縦パスを送り、勇気と自信を持ってパスをつなぎ、ボールを保持する。本来は相手のプレスを餌食にできるスタイルなのだから、技術への確信を武器につなぎ倒してやればいい。
 
 注意すべきはパスの方向とスピードで、とりわけバックパスの選択には決まり事が必要だろう。「ひとつ、ふたつ続くと相手のプレスの矢印が大きくなって次のサポートまでの距離もできてしまう。バックパスの次には前へのパスという意識が少し足りなかった」と、佐藤寿人は千葉戦でのチーム全体に蔓延した判断ミスを悔やんだ。
 
 加えて言うなら、縦パスのなかに、相手最終ラインの裏を突くものを混ぜるべきだろう。プレスがはまれば縦パスもインターセプトはされやすい。そのDFの動きの逆を取り、牽制にもなる裏へのパスを効果的に使うことで、フィジカルなチームを空回りさせることはできるはずだ。
 
 千葉戦ではややブレーキになったG・シャビエルも、90分間を戦いコンディションと試合勘に刺激を入れられたと思えば、プレーオフへの布石は打てている。一発勝負では彼のセットプレーは勝利への大きな担保となるもので、あと2週間で注意深くコンディション管理をしていけば、この敗戦の価値も少しは上がる。
 
 特別な舞台だからと一張羅を着る必要はなく、普段着でリラックスして戦うほうが名古屋は強い。実は千葉戦にプレッシャーを感じていた若手もいたようだが、それもこの悔しい惨敗で心が鍛えられただろう。自分たちの哲学を貫いて成長してきたチームに襲い掛かった今季ワーストゲームは、もしかするとプレーオフを勝ち抜くための最後の教訓が詰まっていたのかもしれない。
 
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)
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