【選手権予選】数的不利を跳ね返した実践学園…勝利の裏にあった30分間のドラマ

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

2017年11月12日

決勝の退場で選手権初戦を欠場する浦。チームには彼のためにという想いがある。

後半31分に退場処分を受け、ロッカールームへ向かう浦寛人。涙が最後まで止まらなかった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 そのころ、ピッチで戦う仲間たちは浦のために結束を深めていた。退場処分が下された直後にはダブルボランチを組んでいた北條滉太(3年)が涙ながらに「浦のために頑張ろう」とチームメイトを鼓舞。1人少ない状況でも勝利を掴み取ることを誓った。その結果、運動量は退場前よりも増加。延長に入ると足を攣る選手が続出するほどの状態となり、攻撃の軸・前原龍磨(3年)は2度痙攣するほどの奮闘を見せた。延長後半のアディショナルタイムにPK戦を考慮されてエースはピッチを後にしたが、魂のプレーを各選手が披露。この想いが結実し、チームは勝利を手にした。
 
 浦はこの退場により、選手権の初戦を欠場することが決定。この日のメンバーで戦うためには、本大会で1勝しなければならない。だが、浦は仲間が結果を出すことを信じている。

「ただでさえ80分はきついのに1人少なくなり、延長戦になってしまった。そこに関しては本当に申し訳ないのですが、延長に入って持てる力を出してチームメイトが全国行きを決めてくれた。本当に感謝しかない。できれば、みんなと全国でサッカーがしたい。なので、仲間を信じて、結果を待ちたいと思います」。
 
 浦と一緒にプレーするために――
 結束を深めた実践学園は仲間との絆を胸に全国大会へ臨む。

取材・文 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)
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