サイズを活かし、空いたコースにしっかりコントロールするという「技」。
2点ともアシストは右サイドからファーに上げた「緩め」のボール。ハーフナーはゴールから遠ざかりながら、叩きつけるのでなくコースを狙って首を振っていた。「ゴール前に飛び込む」「高く跳ぶ」という一般的なヘディングではなかった。195センチというサイズを活かしつつ、相手を見て空いたコースにしっかりコントロールする「技」を出したヘッドだった。
ハーフナー自身もこう振り返る。
「ディフェンスを前に出さないようにしっかり腕を伸ばして、あとはコースを狙って、頭を動かすだけだった。いいボールも来て上手く流し込めた。(ぎりぎりのコースを)狙っているので。あとは(GKが)届くか届かないかということ」
「懐かしいですね」という小瀬で、古巣の甲府を相手に挙げた2ゴールは、ハーフナーの真価を証明するものだった。「次につながる結果は残せられたかなと思います」と彼も口にするように、ポドルスキの「影」に隠れていた男が、自身の存在価値を大きくアピールした一戦だった。
取材・文:大島和人(球技ライター)